2017年06月02日

ホライズン

駐在員の家族として 海外に住むっていいなぁ〜なんて 思ったこともありました。
今回 この本を読んで ちょっと考え方を変えました。
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タイトル   ホライズン
著者  小島慶子
出版者  東京 文藝春秋
出版年  2017.4

海外に職を得た夫とともに 南半球の国に移り住んだ 女性が そこで子供を産み生活していく様子を描いたものです。
同じ町には 会社の駐在員の家族として 滞在している人 領事館の人たちもいて 日本人会ののような集まりがあります。
日本人達のコミュニティには、夫の職業や住む場所によって暗黙のヒエラルキーが築かれていた。
格差というか夫の職業による身分の差 もちろん領事館の妻がNo1であるのはまちがいないし 領事館員の妻たちがその御取りまきであるのも変わりない。

現地で働くといっても 数年で他に行く ひとたちとは少し違うのに 他に知り合いもいないことから 日本人会の仲間になり いろいろな葛藤を持つことになります。
主人公である 彼女は 要領が悪く 短大出というだけで さげすまれています。
“異国に住む日本人”という共通項を持つ集団の中にあって居場所をなくしています。
彼女は 駐在員の妻たちの 序列や 嫉妬 絶え間ない噂話や同調圧力に煩わしさや息苦しさを感じてしまいます。
崩れかけていた 仲間関係は ある事件をきっかけに崩壊していきます。
日本に戻らなくてはいけなくなった人 他国へ転勤命令が出た人 夫のレストランが失敗してしまった人。
出会いと 別れがはじまります。
孤独と自立、家族と友情・・・・異国で生きる難しさを 感じます。
そんななかで すこしずつ強くなっていく 主人公の姿が見られます。

こんな 風な内容です。

一見 華やかそうな駐在員の暮らし。海外でも 序列 格差があって 大変かなぁ〜と。
これは 社宅なんかでもそうなんでしょうね〜
上司と同じ 社宅に住めば 自然と格差が生まれ 子供にも何らかの影響がありそうです。
家賃安くていいなぁ〜だけじゃ すまない 様々な葛藤もありそうで 私はいやだな〜〜〜

うちの近くに 官舎があるのですが・・・草むしりや 掃除などがあって 大変そうです。。。
奥様達の 立ち話も絶えないようで・・・・
きっと 見えない何かがあるのでしょうね〜
どこに住んでもわずらわしいのは 人間関係なのかもね。
などと 思いました。
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2017年05月23日

ときどき旅に出るカフェ

ちょっと めずらしいカフェの本を読みました。
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ときどき旅に出るカフェ 
著者近藤史恵/著 
出版者東京 双葉社
出版年2017.4
形態事項273p 20cm

タイトルだけでは どんな内容なのかわからなくて 移動カフェの話かな・・と思っていました。
ところが。。。。

お局的存在になりつつある OLさんが 近所でみつけた カフェは かって 半年ほどでやめた同僚が開いた店でした。
こんな ことからはじまる 連作短編集。
店主が旅に出るので、「ときどき旅に出るカフェ」という題名。
海外の珍しいメニューを提供するカフェ・ルーズ。
とても居心地がよく 仕事で疲れたとき 立ち寄るお店になりました。
・・と そこまでは 珍しい話でもないのですが 
海外に旅に出て、おいしいスイーツを見つけてきて それを再現し メニューにするので 聞いたこともないようなお菓子の名まえが出てきて しかも また 美味しそうに描かれていて 食べたくなること間違いないという内容です。

話もまた 女性の生き方 考え方が 描かれているのでなるほど・・と思うところ ありの内容でした。
日常の 小さな事件を解決していくのも面白いです。
店主の 円さんの 秘密も描かれ解決していくという ミステリアスな話もあります。

ここに出てくるスィーツは 海外のものが多く 名前もおぼえきれないですが 一度くらい食べてみたいと思うものばかりです。こんなカフェがあったら 癒されに行きたいです。
「いろんな国のスイーツから自分が何者にも縛られず、自由に生きていけることを知った。」
という主人公の 言葉が よかったです。
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2017年05月10日

味 秋山徳蔵 著

以前 放映された 天皇の料理番 というドラマが面白くて見ていましたが 今回 その 秋山徳蔵さんが 書いた「味」という本を読みました。
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天皇の料理番が語る昭和
著者秋山徳蔵/著 
版改版 出版年2015.1
出版者東京 中央公論新社

天皇の料理番 のドラマもそれは 面白かったし 秋山徳蔵さんが どんな人物なのかもよくわかったのですが 今回は ご本人の著書です。
著者の秋山徳三(1888年8/30〜1974年7/14)は、天皇の料理番として有名な方でした。
紹介文には こう書いてあります。
「半世紀以上にわたって昭和天皇の台所を預かり、日常の食事と宮中饗宴の料理を司った初代主厨長の一代記。若き日のフランス修業時代、宮内省大膳寮で学んだ天皇の嗜好、宮中のしきたり、また外遊に同行した際の体験などを語る。日本の西洋料理界に大きく貢献した著者の料理に対する知識と探求心が窺える、貴重な食味随筆。」

16歳で単身上京して フランスへ修行に・・・
黄色いサルと馬鹿にされても 不屈の精神で 料理を学んだかたです。
ご自分の 修行の様子も興味深いのですが 今回の内容は 天皇のご性格なども描かれていて 面白い。
大膳から 料理を運ぶ間に 冷めてしまうせいか いつも冷たいものを食されていたせいか
陛下は熱いものが苦手で、フグは危険視されていて 許可が下りず 食されたことはなかったそうです。
戦時中も 庶民と同じ 麦飯 配給で食事をとり 痩せてしまったことなど。
自家製野菜を乾燥させたり 工夫し 贅沢はされない質素な食事。天皇がそういう事情なのに 当時の軍部には豊富な食糧 缶詰があったことなども書いてありました。
華美を嫌い 国民とともに・・の天皇のお心など 知らなかったことが 満載です。
天皇の日頃の お食事はもちろんのこと晩さん会などの 料理にも触れて います。
大正天皇の御大礼延べ2千人の賜礼、満州国皇帝溥儀の話、(料理を 毒見で ぐちゃぐちゃにされたことなど)。。。

附として、完全な食事作法、全224条箇条が記されています。
うーーん。
今までの 間違いに気が付くことあり。
フォークの背に ごはん つぶして乗せるって 誰が考えたのでしょうかね?

原書はおそらく 昭和時代に書かれていると思いますが 西洋料理の礎を作ったかたで現在にも 学ぶ点がたくさんありました。
ある意味 ドラマより この本のほうが 面白かったです。
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2017年03月18日

わたつみ

綿津見 と書いて わたつみ というそうな・・・
「綿津見(わたつみ・わだつみ)神は、伊邪那岐(イザナギ)命が、妻の伊邪那美(イザナミ)命に追われて黄泉国から現世へ逃げ戻った。そして 死の国の穢(ケガレ)を祓うため禊(ミソギ)をしたとき海の中で生まれた 三神の総称であり 海を統括し守護する神である。」日本神話の海の神である。
綿津見神社・海神社 は 全国各地にある。

関西の日本海に面した小さな町に東京からリターンした女と そこに住む男女を描いた 小説「わたつみ」を読みました。
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タイトルわたつみ
著者花房観音/著
出版者東京 中央公論新社
出版年2017.2

田舎町で優秀と言われ 東京の大学を出た 女が 男にだまされ 借金を背負い 親に清算してもらい 故郷に帰ってきた。
田舎町では仕事もなく 学歴があろうがなかろうが 独身であろうが既婚者であろうが かまぼこ工場で働くしか仕事がない。
かまぼこ工場では 女性が多く 好奇の目と嫉妬がうずまく世界。
帰郷理由を あばかれたり 嫌味を言われり・・・
噂ばなしが絶えない 狭い世界。
映画監督だったという ふれられたくない 過去があばかれていく。
小さな町の 娯楽もない街では 何もかもが噂ばなし。
そこには 元配偶者との情事、ダブル不倫、出会い系サイトでの遊び―など 人には知られたくない女たちの実態があった。
少しのことでも 誰かに目撃され 嫉妬され 密告される。

1年ほど 誰にもかかわらず 暮らしてきたが 見合いをすることになる。
元同級生との見合いは いい話だった。
子供を産んで 親のそばにいて 老後の面倒を見て。。。そんな人生もある。

だけど はたして ここで 一生を終えていいのだろうか・・・
自分にはまだ やりたいことがあったではないか・・・
息の詰まる 毎日で ある日 過去を振り返ってしまう。

平穏な結婚をして 噂話で一日をすごし 嫉妬や嫌がらせに耐え 家族のためと自分を殺して 人生を終えるのがいいのだろうか・・
東京から 田舎暮らしにあこがれ オーガニックのカフェを出して 失敗した夫婦もいる。
離婚し 夫は東京に逃げ帰った。
そんなとき 東京の仲間から もう一度戻ってこいという話があった。

「東京に帰りたい!」

それが 結論だった・・・

痛いほど わかるなぁ〜その気持ち。

田舎町で暮らす 女たちを描いた小説です。
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2017年03月09日

ついに。来た?

群ようこさんの本は女性の人生に寄り添っったものが多いのですが 今回は 考えさせられる内容でした。
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ついに、来た?   群ようこ/著 
東京 幻冬舎  2017.2

「覚悟はしていた。つもりだけど。
働いたり、結婚したり、出産したり、離婚したり……、
バタバタと歳を重ねているうちに、
気づいたら、あの問題がやってきた!?
それは、待ったナシの、親たちの「老い」が!?」

「母、出戻る?」
「義父、探す?」
「母、歌う?」
「長兄、威張る?」
「母、危うし?」
「伯母たち、仲良く?」
「母、見える?」
「父、行きつ戻りつ?」
全8編の連作小説。

誰もが避けて通れない「親」たちの老い。
痴呆、介護、デイケアサービス、リハビリなどをユーモアを交えて綴ります。

やはり ついに来た!?
なんでしょうねぇ〜

老いれば 多少記憶があいまいになるし 今までできたことができなくなるし 判断能力も落ちるし・・・
それが 自分では感じられるか 感じられないかも 問題で。。。
若いころと同じように 過信してしまったりすることもあるし 周りも衰えを理解しないこともあるし・・・
はたまた都合の悪いことは覚えていないとか とぼけていたりする人もいるし。

元気で 徘徊というのが一番困り リハビリなどせず 寝たきりにしておいてくださいと頼む人もいるそうな・・・
なかなか 難しい問題です。
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2017年03月04日

雪つもりし朝

ちょうど2・26の頃 1冊の本を読みました。
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タイトル雪つもりし朝 
二・二六の人々
著者植松三十里/著 
出版者東京 KADOKAWA
出版年2017.2

当時の首相だった岡田啓介、侍従長だった鈴木貫太郎と妻のタカ、昭和天皇の実弟・秩父宮、吉田茂の娘であり湯河原で襲撃を受けた麻生和子、陸軍の歩兵として反乱軍と同じ部隊にいた本多猪四郎。五人それぞれの二・二六事件を描く小説。
日本の平和に関わった彼らの「その後」は、この「二・二六事件」につながっている。史実を題材にした連作短編集。

昭和11年2月26日 この日の軍部のクーデター。彼らはそれぞれの夜を過ごしていた・・・
日本の平和に関わった彼らの「その後」は、この「二・二六事件」につながっている。

内容

「身代わり」
義弟が身代わりになり命を落とした首相・岡田啓介は、やがて第二次大戦の終戦に尽力した。
「とどめ」
襲撃された鈴木貫太郎へのとどめを制止したのは、妻のタカだった。彼は終戦内閣の総理となる。
「夜汽車」
叛乱を起こした青年将校らが要と仰いだ秩父宮は、事件直後に弘前から夜汽車で上京した。
「富士山」
襲撃を受けながらも祖父を守った麻生和子は、父・吉田茂の講和条約を助ける存在に。
「逆襲」
何もわからず反乱軍と同じ部隊にいた本多猪四郎は、長い出兵を経て、「ゴジラ」の監督になった。

やがて 戦争に突き進んでいくのですが それぞれの その後の人生が 興味深いものでした。
岡田首相は 逃げ隠れしたということで失脚するのですが ・・・
鈴木貫太郎氏は 生きるべくして生きながらえたという感じ・・
秩父宮殿下の噂は それなりに知っていましたが 当時の苦悩がわかります。
幼いころの 麻生太郎氏も出てきて・・・
講和条約後「ママを返してください」と祖父にいう 姿が可愛かった。
陸軍の新兵だった 本多は懲罰なのか 満州に送り込まれるが 無事帰還。
ゴジラを 作った監督になる。放射能を浴びたゴジラ・・・が原爆とリンクしそうです。

日本の平和に関わった彼等のその日の姿が 目に浮かびました。
しらなかった 2.26事件が とても興味深かったです。
お薦めの1冊。
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posted by うめのはな at 07:50| Comment(0) | 読書

2017年02月17日

東京都シルバーパス

東京都シルバーパスという制度があって 70歳以上の人はこれを使うことができます。
日中のバスは このパスを使って乗り降りする人が多いです。
これは 都バス 都営地下鉄 都電 都内を走る民間バスが 無料になるパスです。もちろん 乗り降り自由 乗り継ぎ自由ですから出かけるのには無敵のパスです。
そんな シルバーパスをつかって都内を巡った 本が出たので読みました。
小説なのですが 著者は実際にバスにのって 巡ったのだろうと思います。
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タイトルバスを待つ男 
著者西村健/著
出版者東京 実業之日本社
出版年2017.2
【目次】
第一章 バスを待つ男
第二章 母子の狐
第三章 うそと裏切り
第四章 迷宮霊園
第五章 居残りサベージ
第六章 鬼のいる街
第七章 花違い
第八章 長い旅
終章

定年退職後 無趣味の元刑事が見つけたのは 東京都シルバーパスを使ってのバス旅でした。
錦糸町駅近くに住む男は 錦糸町、赤羽、池袋、北品川、青梅など東京の各地を巡ります。
昔 あった事件で 歩いた場所を訪ねたり 未解決事件を思い出したり 被害者の墓参りに行ったり・・・・
そして あちこちで不思議な出来事に出会います。
バス停で何かを待つ男、神社の狐の前掛けの意味、和菓子屋に通う謎の外国人、殺人鬼が逃げた理由、ミステリー作家の死の真相・・・平井駅前 錦糸町 門前仲町 いつも乗る都バスの路線がたくさん出てきて 親しみやすかったです。
亀戸で出会った 中学生の悩み事を解決し バス停で出会ったバスを待つ男の出来事を解決したおかげで 親しくなったりもします。
バス仲間もでき シルバーパスの恩恵を十分受け巡ります。
家で待つ 妻の知恵を拝借しながら 解決していく謎解きの面白さもあります。
大人の 散歩ミステリーです。

とても面白かったし 次はどんなところでどんな謎に出会うか楽しみでした。
バスから眺める風景も とても参考になりました。
私が 70歳になるまでこの制度が続きますように・・・・・。
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posted by うめのはな at 09:09| Comment(0) | 読書

2017年01月19日

雨利終活写真館

今日は ほんのり心あたたまる本の話。
巣鴨で遺影の撮影を専門とする雨利写真館の謎を解く。4作の短編集。
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雨利終活写真館
著者芦沢央/著 アシザワ,ヨウ
出版者東京 小学館
出版年2016.11

雨利写真館は遺影専門。
人生の終わりに 最愛の人へ最高の自分を残しておきたいという人たちが訪れます。
遺影の撮影に写真館まで足を運ぶ人々の想いを ミステリー仕立てに謎を解き明かします。

・一つ目の遺言状 
ハナの祖母の遺言状。長男には土地と建物、次女には預貯金。でも長女(母)には手紙のみ。自分だけが除外されたことに、ショックを受ける母親。

・十二年目の家族写真 
一緒に撮るのは、次男と孫息子の3人。母の死を巡り、父と息子の葛藤の日々が続いていた・・

・三つ目の遺品 
25年前に撮影された写真に写る妊婦は誰?自分は 不倫相手の子なのか?

・二枚目の遺影
末期癌を患う男性が撮った二枚の遺影写真。
モデルのように美しい娘と写った写真が妻のもとへ届いた・・

自分が悔いのないエンディングをしていくように終活写真館で遺影を撮りました。
謎解きがあって 家族の確執がほぐれていく 。
どれも 家族のハートウォーミングストーリーでした。
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posted by うめのはな at 09:18| Comment(0) | 読書