2020年01月15日

奈落

昨日 衝撃的な本を読んだ。

TVなどでおなじみの古市憲寿さんの本です。
2作目の 『百の夜は跳ねて』(新潮社、2019年)は芥川賞候補作でした。
古市さんの本は 今回 3作目をはじめてよみました。

タイトル 奈落 ナラク
古市憲寿/著 
東京 新潮社
出版年 2019.12

内容(「BOOK」データベースより)
17年前の夏、人気絶頂の女性シンガー・香織はステージから転落し築き上げてきたものをすべて失った。残ったのは全身不随の身体と鮮明な意識、そして大嫌いな家族だけ―

これ以上怖ろしいことが、この世にあるだろうか。

ホラー小説ではありません。

奈落というのは ステージや舞台などにある 床下の空間のこと。
本来の意味は地獄。

家族から独立して暮らす 大人気歌手だった 香織が奈落に落ちて 植物状態になったということから話がはじまります。
最初は 単に軽い闘病ものかと思いきや だんだん 薄気味悪さというか 香織の恐怖が伝わってきてもどかしくて
いらついてきてしまいました。

くわしくは読まないとわからないでしょうが
これは 人間としての恐怖です。
オカルトなどではありません。

大嫌いな家族というのが はじまりです。
家族はどう対応するのか・・・。
突然の事故。舞台の奈落に落ちて 目覚めたときは 身体は動かず意思表示もできず。
ただ 意識はあって なにもかもが聞こえる。

高校教師だった聖人君子の父。
折り合いが悪かった姉。
お互いきらいだった 母。
好きだった彼氏。
ライバルの歌手。

みなそれぞれ登場して 自分を語るのだが
メインは香織の意識。

聞こえているのだが なにひとつ意思表示できない状態は 地獄に等しい。
見えてくるそれぞれの 人格や行動。
救いようのない 壊れた家族。


そんな地獄のなかで生かされ続けている香織。
孤独の底から 見ている世界は 恐怖そのものです。
孤独な歌姫と、最も醜い家族の物語です。

香織の立場になって読めば これ以上の恐怖はないですね。

単なる 小説かと思えば 奥深く心の中に語り掛けてくる何かがある。
それが 恐怖。

この本を読んでいて 知り合いのことを思い出しました。
脳こうそくで 倒れて やはり 意思表示もできなくなり寝たきりのまま入院中のとき
見舞いに行った 母の前で 倒れたおばさんの夫が 言ったことば
「こんな風になるなら いっそ死んでくれたほうがましだ」
それを聞いて 母は
「そんなこと言うもんじゃない。」とたしなめた。
すると おばさんの目から 涙がぽろりと垂れてきた。
そんな話です。
医者の話によれば
意識がなくなっても 臨終の間際でも 人は最後まで 聞こえているらしいですね。
深い眠りについていて 目覚めなくても 語りかけることによって意識が戻る場合があるということで
枕元で 大きな声で語り掛けてくださいと 言います。

意思表示できないだけで 聞こえているのだから
不用心に 不愉快なことはいうべきではない。
そういうことです。

思えば 障害のある人も 理解はできていてもただ単に どう表示していいのか
どう言葉にしていいのかがわからないだけなのかもしれません。
決して 見下したり 差別的なことはしてはいけません。

本の最後のほうに
ある有名な物理学者の言葉として 書かれていた言葉があります。


[過去と現在と未来の違いは しつこく続く幻でしかありません」
アインシュタインが有名な手紙の中で 書いた言葉です。

時間の流れや変化は幻であり 宇宙の一筋の時間の流れとして整列しているわけではない。

そういう意味だそうです。

これまた 心に残った一文です。

奈落という言葉が 深くつきささってきます。
ある意味 衝撃的内容で ぞぞっと恐怖がわきあがるそんな 本でした。

奈落とは やはり 地獄だった。
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2019年11月29日

風神雷神

読書の話。

タイトル風神雷神 上 ・下
Juppiter,Aeolus
原田マハ/著 
東京 PHP研究所
出版年2019.11

内容(「BOOK」データベースより)
20××年秋、京都国立博物館研究員の望月彩のもとに、マカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンと名乗る男が現れた。彼に導かれ、マカオを訪れた彩が目にしたものは、「風神雷神」が描かれた西洋絵画、天正遣欧使節団の一員・原マルティノの署名が残る古文書、そしてその中に書かれた「俵…屋…宗…達」の四文字だった―。織田信長への謁見、狩野永徳との出会い、宣教師ヴァリニャーノとの旅路…。天才少年絵師・俵屋宗達が、イタリア・ルネサンスを体験する!?アートに満ちた壮大な冒険物語。

読みました。
一言でいえば すごく面白い!
面白すぎて 感動するくらいでした。

誰でも知っている 「風神雷神図屏風」
謎の天才絵師 俵屋宗達。
史実と フィクションを織り交ぜて 楽しませてくれました。

奇想天外な話。

7歳の頃からその才を認められ12歳で 信長にお目通りし その場で描いたという 白い像の絵の話。
「見たこともないものを描け」と言われ 首をかけての渾身の絵が 象の絵だったという話。
これもまた 面白い発想ですが その絵は養源院の 杉戸絵「白象図」のことですね〜
そして 信長の密命を受けて ローマの街の詳細な絵を描くように言われ
天正遣欧使節団と一緒に ローマへと旅立つという なんともあったようでありえないようで
もしかして本当かも・・と思わせる 筆力で描かれていて 一気に読んでしまいました。
表向きは 印刷技術を学び 持ち帰るということでした。

当時の大家・狩野永徳と合作で「洛中洛外図屛風」の制作を命じられ 製作にかかわったという話も面白かったですが
やはり ローマへの旅が メインで 俵屋宗達少年が天真爛漫少年らしく のびのびと描かれていて ひきつけられます。

伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノの敬虔なクリスチャンたち。
クリスチャンでもない 宗達は なかなか受け入れてはもらえませんでしたが その天性の明るさと才能により
みなに心を開かせていきます。仮の アゴスティーノという洗礼名を受けます。

3年ほどかけてローマへ・・・。
そして教皇様にお目通り。。。
宗達はどこででも 絵を描き続けます。木炭のスケッチです。

おりしも 先日 ローマ教皇が来日しておられたので 何かの縁と思って 読みました。

西洋絵画を見たときの 驚き。その写実性にすぐれた 絵画技法。
当時の日本の平面的な絵とは 違う技法に 驚いたという話から
バロックの巨匠、カラバッジョ少年との出会いまで 書かれていて
フィクション乍ら それはもう具体的で 知識がなければ史実と信じてしまいそうになります。

西洋の 雷神(ユピテル)と風神(アイオロス)の対比も面白かったです。

その生涯の詳細がわからないという 俵屋宗達。
もしかしたら この本のような事実があったのかもしれないと 思わせます。
なぜなら 
少年使節団には アグスチーノ (印刷技術習得要員、日本人少年)が 一緒だったという事実があります。
その日本人少年の詳細は不明とのことですから おそらくこの少年を 宗達に置き換えて書かれたものなのでしょうね。

フィクションでありながら 想像力でタイムスリップ。
辛い船旅 ローマの感動。
ダヴィンチやミケランジェロの絵に 出合った時の感動まで 伝わってきました。

いやぁ・・
フィクションでここまで描けるなんて すごいです。

本当だと 信じてしまいそうになりました。

「風神雷神」の絵ですが
宗達、光琳、抱一の<風神雷神図屏風>は 実物を みています。

でも 宗達の風神雷神が一番好きです。
何より 楽しそう!
「遊ぼうよ!」って 聞こえてきそうです。

やはり 風神雷神は 元祖 俵屋宗達 です。

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2019年10月06日

だます

何時の世も 人をだまして それを生業として生きる人がいる。
人をだます 智慧のあれこれを思うと ちゃんとした仕事につけそうな気もするのですが
そこは ある種の欲望 快感が伴い 病み付きになってしまうのかもしれないなぁ・・と。

こんな 本を読んで思いました。
タイトル   欺す衆生 
著者     月村了衛/著 
出版者  東京 新潮社
出版年   2019.8
内容(「BOOK」データベースより)
被害者数三万人、被害総額二千億円―。戦後最大級の詐欺集団「豊田商事」の亡霊は欲を喰らい、悪意を増殖させながら、令和の世を彷徨い続ける。欲望の深淵を暴く、規格外の犯罪巨編。人間の業と欲を徹底的に描破した、渾身の長編小説


戦後詐欺の全ての源流とされる詐欺事件。この実話をもとにした その後の 残党たちの詐欺人生を描いています。
なぜ 人をだまし続けていけるのか。
欲望なのか 快楽なのか はたまた ひとつのビジネスのつもりか。
なんだか むなしくなるような 人生です。

詐欺会社の残党たちは 再び集結して 同じことを繰り返す。
そこに 泣く人がいても 人生をなくしてしまう人がいても
非情にだまし続ける。

それが 大きなプロジェクトとなり 国家を欺くこととなっても やめられない。

そんな話なのです。

今も あの手この手の詐欺が まかり通っています。
オレオレ 投資詐欺 不動産詐欺 未公開株詐欺 いろいろあります。

詐欺する人って 人当たりがよくて 話術にたけていて 親切そうで 人情深くて
つい 心をゆるしてしまうそうです。
そんな人が 営業マンになれば 物が売れるかももしれないのに・・・

人をだますって 気持ちいいですか?
私なら 些細な事でも 気になって 後悔して くよくよしそうな気がします。
普通のひとは そうでしょう。

以前 大田区に住んでいた時 よく勧誘の電話がかかってきました。
それも 以前の電話番号の持ち主さんらしく 
○○さんですか。以前お伝えした不動産の件で・・というような電話。
お名前からすると お年寄りの名。
きっと名簿を繰り返し 使っているのだろうな〜
だから 電話番号の持ち主が変わっても 電話するのでしょう。
1社だけではなくて 何度もかかってきたので 名簿は共有されているみたいです。
名簿やがあるくらいですからねーーー

今度の電話は まっさらな新規番号なので そういう電話はありません。
一度 だまされると 名簿が出回るというのは 本当のことらしいです。

知人にも 未公開株などで 「配当がいいんだよー今だけの チャンスで・・」と
自慢げにしていた人がいましたが
桔局それも 詐欺だったみたいです。
うまい話しなんて ないのです。

宝くじも買わないと 当たりませんし
ギャンブルも 元締めが儲かるようになっています。

地道に生きましょう。。。
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2019年09月17日

吉原

人形町はなぜ 人形町というのか・・
調べてみれば
「江戸時代、堺町と葺屋町が現在の日本橋人形町三丁目の人形町通り西側にあり、歌舞伎小屋の中村座と市村座があった。また、薩摩浄瑠璃(薩摩座)や人形芝居(結城座)も行われていた。一般には人形遣いが多く住んでいたから人形町と名付けられたとされている。」

旧日本橋地区にあたり 日本橋地区内です。
この 人形町が 実は「元吉原」といい 幕府公認の 遊郭街でした。
武士が この遊郭で遊んだわけです。

吉原という名は この遊郭をつくるにあたり 葦の原の湿地を埋め立て整備したことから 葦の原が吉原になったとのことです。
歌舞伎界の 今ほど格式高いものではなく 芸人といったような やさぐれもいて そちらとは 一線を画し 武士を相手の商売だったそうです。
巷には 「風呂屋」と称するあやしげな商売もあって 「湯屋」とは別物だったとか。

「1657年(明暦3年)1月の明暦の大火(振り袖火事)で辺り一帯が焼失したことを機会に、幕府の命令で、遊郭は地名ごと浅草寺裏の日本堤付近に移転した(新吉原)。」
最近こんな本を読みました。

タイトル     落花狼藉 ラッカ ロウゼキ
著者       朝井まかて/著 アサイ,マカテ
出版者      東京 双葉社
出版年      2019.8

内容(「BOOK」データベースより)
戦国の気風が残る、江戸時代初期。葦の生う辺地に、ひとつの町が誕生した。徳川幕府公認の傾城町、吉原だ。公許は得ても、陰で客を奪う歌舞妓の踊子や湯女らに悩まされ、後ろ楯であるはずの奉行所には次々と難題を突きつけられる。遊女屋の女将・花仍は傾城商いの酷と華に惑い、翻弄されながらも、やがて町の大事業に乗り出す―。

吉原の歴史と そこで生きる人々の悲哀を知ることができました。
何時の時代も 変わらぬ 「女」と「男」
お金にまつわる 悲しい話。
そこに 人間のドラマがいくつもあって 百花繚乱の裏にある物語もたくさん描かれていました。

朝井まかてさんの本はいつも ぐいぐいひきこまれてしまいます。

2017年9月18日に放送された「眩(くらら)〜北斎の娘〜」これも朝井さんの原作

タイトル 眩(くらら) クララ
著者    朝井まかて/著
出版者 東京 新潮社
出版年 2016.3
内容(「BOOK」データベースより)「あたしは絵師だ。筆さえ握れば、どこでだって生きていける──。北斎の娘・お栄は、偉大な父の背中を追い、絵の道を志す。好きでもない夫との別れ、病に倒れた父の看病、厄介な甥の尻拭い、そして兄弟子・善次郎へのままならぬ恋情。日々に翻弄され、己の才に歯がゆさを覚えながらも、彼女は自分だけの光と影を見出していく。「江戸のレンブラント」こと葛飾応為、絵に命を燃やした熱き生涯。」

2018年に文庫本にもなっています。

この 本も面白かったです。
北斎の娘は 「お栄」北斎がお栄を呼ぶ時に「おーい、おーい」と呼んだから、葛飾応為になったと言われています。
応為さんは 天才ですね。
北斎晩年の絵は 記名こそ 北斎ですが 実はほとんどが 応為 の作だとも言われています。
ouiyshr.jpg
葛飾応為「吉原格子先之図」(1844〜54年ごろ) 太田記念美術館蔵
横40センチほど。小ぶりな紙に、江戸の遊郭・吉原が光と影の対比をいかして描かれている。

江戸時代に 光と影 を描いた浮世絵師はめずらしい。
浮世絵というより 西洋の技法の絵ですね。
この絵は 「眩」の表紙にもなっています。

吉原の様子 光と影 をえがくことによって
そこにある 悲哀も同時に描かれている気がします。

ootbjyu.jpg
太田記念美術館
東京都渋谷区神宮前1丁目10−10
浮世絵専門の私設美術館です。
江戸時代末期より明治時代にかけ、膨大な数の浮世絵が海外に流出しました。五代太田清藏(1893〜1977)は、このような実情を嘆き昭和の初めより半世紀以上に渡り浮世絵の蒐集に努めたそうです。
数年前に 北斎と暁斎 展を見に行きました。
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2019年08月24日

国宝

第14回中央公論文芸賞に、吉田修一さん(50)の「国宝」(朝日新聞出版)が選ばれました。

この本は 上下2冊の大作です。

国宝
吉田修一 著 
2018年9月朝日新聞出版
上 青春篇
下 花道編

主人公は この国の宝となる役者・立花喜久雄

1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」で生まれる。
任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み 喜久雄の人生は 思いもよらない域へと・・

歌舞伎界の新星として一躍注目を浴びるも運命に翻弄され続ける波乱万丈な半生が描かれています。
梨園という 血族の世界。
血族との深い絆と軋みに苦しみます。

また本来なら親の後を継ぎ、三代目半二郎を襲名すべき「俊ぼん」こと俊介の人生もすさまじいものがあります。

血のつながりがそんなに 大事な世界なのか・・・
主人公喜久雄への仕打ちは、あまりにひどい。
血族 家系との 軋轢。
スキャンダルと栄光、信頼と裏切り。
歓喜と絶望。
ただ 芸に打ち込み 頂点に登りつめ喜久雄は
国の宝となった。

舞台での鳴りやまぬ拍手 国宝としての人生の境地。
その先に 何があるのか・・・・


人間国宝 女形 といえば
五代目 板東玉三郎。
2012年 重要無形文化財保持者に各個認定(人間国宝)。
梨園の出でなく小児麻痺の後遺症をリハビリで克服したこと
歌舞伎界で 養子になったこと。
女形であるが 長身であったこと。
芸風や活動方針を巡って六代目歌右衛門との間に永年の確執があったこと(後年和解)など

喜久雄は 玉三郎さんをモチーフにしているのかな〜と思いながら 読みました。
この本は 傑作です。

梨園という知られざる世界を 垣間見るようでした。

梨園って 一般人には 縁遠い世界だと思っていました。
どうも 序列というか 格付けがはっきりしているようです。

梨園といえば
市川 中村 尾上 片岡 坂田 松本 板東 ・・・・・
他ありましたっけ?
皆親戚のような 感じがしますが
近年芸能人妻が多くなりました。
梨園の妻 たちにも 序列があるということですが・・
きっと常識では 想像できない世界なんでしょうね〜

読んだのは 昨年ですが 今回 ありありとその内容を思いだしました。
「国宝」は 間違いなく 傑作です。

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2019年07月23日

大阪の陣

いつまでも じめじめとした日が続き しおれた菜っぱのように ぐったり感を感じています。
気温はそう高くはないのだけれど 湿気が多くて エアコンはフル稼働。
蒸暑さを我慢できるほど 丈夫ではないので 日がな一日 涼しい部屋ですごしています。

選挙という 戦いが終わりました。
選挙期間中だとは思えない しずかな日々でしたので さほど意識することもなく過ぎ去りました。

まぁ 東京選挙区は面白かったですが 昔ほど キワモノが出ていなくて 面白味は半減でした。
昔は いろんな人がいて 楽しかった気がします。

ともあれ現代の 夏の陣は終わり。

最近 「大阪の陣」という本を読みました。

タイトル  大坂の陣 
     岡田秀文/著 
出版者  東京 双葉社
出版年  2019.6

「賎ケ嶽」「関ケ原」につづく豊臣興亡記完結編
関ヶ原の戦いの後の 家康 秀頼。
家臣たちは どう動き 何を目論見 どちらについたか。
駆け引き 思惑 それに対する 家康の動き。
大坂冬の陣・夏の陣を そんな 武将たちを描いています。

岡田秀文さんの 本は好きで 他もたくさん読んでいます。
歴史ものが多いです。

関ケ原 家康 夏の陣 冬の陣など たくさんの本が出ています。
歴史は変わらず どんなふうに描くかが 面白いところです。

それにしても 戦いというのは バカらしい。
人の命が軽すぎる。
戦国の世とはそういうものかもしれませんが 命の重さなど ひとたまりもない。
読んでいても むごいものだなぁ・・と。

平民の命など たとえその一人一人に 家族があり 生活があっても 虫けらのようにしか扱われなくて
悲しくなる。

そんな世に 生まれなかったことに ホッとしてしまいます。

ところで 大阪というのは なぜ 大坂から 大坂に変わったのか・・調べてみました。

室町時代、蓮如上人の『御文章』に書かれた「攝州東成郡生玉之庄内大坂」が最古の文献となる。 「大坂」は「オオザカ」と呼ぶことが多かった。
古くは浪速または難波と呼ばれていたが、緩やかな坂が多かったことから「大坂」と称されるようになったという説もあります。大政奉還により天皇に実権が戻った明治時代に入ると、大坂の名称は「大阪」と改められたらしいです。

明治に入って「大阪」となった理由として
坂が土に返るで縁起悪いからとか 明治新政府が「坂」が「士が反する」、すなわち武士が叛く(士族の反乱)と読め 
ることから「坂」の字を嫌ったともいわれています。
本当のところは どうなんでしょうね。

では
江戸という地名は?
「江戸」という地名は、鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』が史料上の初見で、おおよそ平安時代後半に発生した地名であると考えられている。と書かれています。

江は川あるいは入江とすると、戸は入口を意味するから「江の入り口」に由来したと考える説が有力らしいです。
江戸は 、武蔵国と下総国の国境である隅田川の河口の西にあり、日比谷入江と呼ばれる入江が、江戸城の間近に入り込んでいて 品川あたりも 入り江でした。

水の都と言えば 聞こえはいいですが 昔は 湿地の野原が広がる 辺境の地だったわけです。

大人になってから こういう歴史ものの本も 面白いと思うようになりましたが
昔は 歴史なんて つまらない ただ 試験のために年表を覚えるだけ という感じで つまらなかったです。
もっと 興味深く 面白い授業だったら 関心も深まるかと思います。
本やドラマを見るのも いいかもしれませんね。

遠き昔の 人々の暮らしや 思いを知ることもできますし・・・
自分をその時代に 置いて今の暮らしを考えてみるのも また いいものです。
私など 面白い本は すぐ 脳内タイムスリップしてしまいます。

本はいいなぁ・・・。
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2019年07月05日

螺旋プロジェクト

ちょっと面白い企画の本を読んでいます。
8作家による 競作企画 「螺旋プロジェクト」(中央公論新社)
全部で 8冊。
明日発売の2冊を 残して6冊はよみ終えています。

3つのルールがあって 原始から未来まで 描かれます。
7月は 原始と未来。

1・海族 と 山族 の対立を描く。
2・全作品に 共通する特徴を持ったキャラクターを登場させる。
3・年代を越えた 仕掛けがある。お守りや壁など。

このルールにより 壮大な歴史絵巻が完成する。


3月
朝井リョウ
「死にがいを求めて生きているの」平成

4月
伊坂幸太郎
「スピンモンスター」近未来
「シーソーモンスター」昭和後期
これで1冊

5月
薬丸岳
「蒼色(そうしょく)の大地」明治

天野純希
「もののふの国」中世・近世


6月
乾ルカ
「コイコワレ」昭和前期

澤田瞳子
「月人壮士(つきひとおとこ)」古代

7月
大森兄弟
「ウナノハテノガタ」原始


吉田篤弘
「天使も怪物も眠る夜」未来


毎月待ち遠しくなるくらい どれも面白かったです。
私は「海族」か?「山族」か?って 考えましたが
どの特徴にも当てはまらない。
でも 本当に会った瞬間から バリアーがあるかのように 気の合わない人っています。

これまでで 一番 よかったと思ったのは 
薬丸岳
「蒼色(そうしょく)の大地」明治
次に
乾ルカ
「コイコワレ」昭和前期

まだあと2冊残っていますが 今まででは・・ということ。

こういう企画は面白いです。
各時代の背景も読み取れますし その時代の人々の暮らしや思いも垣間見ることができます。

「もののふの国」は 日本の戦い歴史を語ります。
源氏と平氏 から 700年にわたる 武士たちの争いの系譜。
これが 日本の血の歴史なのでしょう。

天皇家に藤原の血が・・
聖武天皇の真実なんていうのも 面白い。
これもまた 争いの歴史。

明治海軍と海賊の争いや 戦時下の疎開っこの話から 
嫁姑の争いまで ・・・ 
海族山族と思えば納得できたりもして。。。。

さて あと2冊が 楽しみです。

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2019年06月24日

松方コレクション

上野の国立西洋美術館は今年で 創立60周年を迎えます。
この西洋美術館が 作られる元となったのが 松方コレクションです。

国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展
2019.6.11(火)〜 2019.9.23(月)
国立西洋美術館
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現在 開催中です。

今年の直木賞 第161回直木三十五賞にノミネートされたのが原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』という本です。

タイトル  美しき愚かものたちのタブロー
        原田マハ/著  出版者東京 文藝春秋
出版年   2019.5

内容(「BOOK」データベースより)
すべては一枚の絵画(タブロー)から始まった。あのモネが、ルノワールが、ゴッホが!国立西洋美術館の誕生に隠された奇跡の物語。

これは 繰り返しよみたい本です。

モネ、ルノワール、ゴッホ…。日本の若者に本物を見せたい。その一心で絵画を買い漁った男松方幸次郎。
日本に美術館を創りたい。
その夢ひとつのために生涯を懸けた不世出の実業家・松方幸次郎。
戦時下のフランスで絵画コレクションを守り抜くという任務と責任から 貧困と苦を乗り越え使命をはたした 孤独な飛行機乗り・日置ス三郎。
そして、敗戦国・日本にアートとプライドを取り戻した男たちがいた。
国立西洋美術館の誕生秘話に隠された 松方コレクション100年の歴史がここにある。

松方はアートへの審美眼は持ち合わせていなかったが 若き美術史家にサポートされていました。
モネtの出会い親交 は 松方をアートに目覚めさせていきます。

絵はわからないが あなたの絵が好きです。
モネに言ったその言葉は正直なものでしょう。

よく美術館で ルーペを持ち タッチなどをじっくり見ている人がいます。
それもまた研究で いいことなのでしょうが 私にはそういうことはよくわからないので
いつも いいなぁ〜 好きだなぁ〜 いつまでも見ていたいなぁ〜と 
心に残るような絵を見ています。
数多くの絵の中でも それは 数点しかなくても 展覧会があれば ホンモノを見たいと思います。

感動を与える絵こそ その人にとっての名画なのではないでしょうか。

さて 苦労して大金資産をつぎ込んで買いあさったアートもフランス内に とどまったままで 
どうなるか・・・
なんとしても 守らねばならないという日置の苦労がみのり 消失はまぬがれましたが
戦後 敗戦国となった日本。敵国人財産として接フランスに没収されてしまいます。

講和条約後 時の首相吉田茂のもと フランス政府に 個人資産なのだから返還して欲しいと申し入れます。

多くが散逸・焼失しているが、浮世絵が約8000点、西洋美術が約3000点で総数は1万点を超えていたと言われています。
近年 イギリスでそのリストが見つかったそうです。
松方コレクションのうち 浮世絵は日本に。ロンドンの倉庫にあったものは消失しました。

難儀な交渉。
返還ではなく 寄贈といいはる フランス政府に 「寄贈返還」という変な言葉を使わざるを得ませんでした。
交渉の中で、コレクション中、重要なゴーギャンやゴッホなどいくつかの作品についてはフランス側は国宝級だと 返還せず結局、絵画196点、素描80点、版画26点、彫刻63点、書籍5点の合計370点の作品が、美術館を建設して展示するという条件付きで返還されました。
松方 日置の思い入れのある 「アルルの寝室」は返還されず。
今回展示。
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モネの 睡蓮「柳の反映」は行方不明。
クロード・モネの『睡蓮―柳の反映』が2016年9月にルーヴル美術館の収蔵庫でロールに巻かれた状態で発見され、返還され修復されました。上半分が水にぬれたのか 損傷。

返還された 松方コレクションの受入れのための美術館はル・コルビュジエにより基本設計が行われ、1959年に国立西洋美術館として開館しました。

おなじみ ロダンの考える人が 入り口にあります。
ロダンの作品は 50点ほどを購入したそうです。

今回の 松方コレクションは 波乱の歴史をたどり 
作品を守り抜いた 男たちの奇跡をたどるものとなりますね。

タブロー(仏: tableau)
とは 絵画 という意味です。
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2019年05月14日

灰の男

初版発行が 2001年3月 という 本を読みました。
古い本は 時代背景があわなくて 興ざめしてしまうのであまり読まないのですが
この本の内容紹介に興味をそそられて 読みました。
なぜ いままで 読んでいなかったのか・・と おもうほど 面白かったです。

単行本で初版が出てからも 単行本での再販 そして 文庫本でも出版され 今回2019年に再び文庫本 上下 で再版された本です。

タイトル   灰の男  上・下
著者      小杉健治/著 
出版者   東京 祥伝社
出版年    2019.3

内容紹介
「昭和史の暗部を抉る衝撃と感動の大作!
昭和20年3月10日、10万人の命を奪った東京大空襲の裏に驚くべき謀略があった! なぜ下町が狙われたのか?なぜ空襲警報は遅れたのか? ともに大事な者を失った咄家の信吉と大学生の伊吹。2人が平成の世に再び邂逅した時、史実の闇に隠された衝撃の真相が明かされる。著者渾身の歴史ミステリー問題作。」

物語は 大正時代からはじまります。
そして 関東大震災。
不穏な時代へと 突入 。
昭和初年から 戦争へと・・・

出会いがあります。
それも 普通の出来事ではなく 運命を左右するような 出会いの数々。
そして 人間模様。

上巻半分くらいからは 戦争です。
それも 東京大空襲。
飢えに苦しむ家族のために ある日同僚たちと 盗みをしようと計画をたてる。
そして当日 同僚の不可解な行動。同時に起こったB29の爆撃。
空襲警報の遅れ 火焔地獄をそこで見た。
下町を焼き尽くす 炎。
死体の山。
それをのりこえ 家族のもとへ・・・。

なぜ、こんなに大勢の人が死ななければいけなかったのか・・・
なぜ、下町だったのか。

時代は昭和から平成へと・・
あの焼け野原で 心身ともに焼き尽くされ 燃え尽き失望した 男。
そして 時代は移りますが
心に残る あの3月10日の 空襲の出来事。
あれは 3月9日ではなかったのか・・
真実は 闇に葬られている。
衝撃の事実を語らねば・・・
今 再び歴史の裏に隠された 真実が語られる・・・

庶民から見た東京大空襲に迫る畢生の書下ろし1200枚。
一気読みしました。
読み始めたら 途中でやめられない 迫力がありました。

以前も このブログで書きましたが
なぜ 東京慰霊堂はあっても 東京大空襲の記念館はないのだろう。
10万人の人がなくなったというのに なぜ その人々を慰霊する施設がないのだろう・・・
この疑問が あきらかになるような気がしました。
両国の慰霊堂は もともと 関東大震災の慰霊のための施設です。
1948年より東京大空襲の身元不明の遺骨を納め、死亡者の霊を合祀して、1951年に現在の形になりました。

本来 東京大空襲で亡くなったかたの 慰霊施設があってもいいはずなのにありません。
アメリカへの忖度か。。。
はたまた 何か 後ろめたいことがあったのか
それは わかりませんが
「灰の男」 を読んで 少しわかるような気がしました。


少し前に読んだ 石田衣良氏の 「不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲」
も 空襲の場面が悲惨で 読んでいて辛かったですが
この本も おなじような描写があって 辛いです。
決して 作り事ではなく 証言をもとに 事実を描いているからだと思います。

ちょっとできすぎな気がしましたが
運命の出会いと 人とのつながり 不思議な縁を感じる 話でした。
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2019年05月10日

帝国ホテル建築物語

非日常の連休もすぎて どうやらまた普通の日常に戻ってきました。
しかし 今日は暑いです。
冬布団を干して 夏布団と入れ替えています。
エアコンのフィルターも掃除。
急に 夏支度です。

連休中に何冊か本を読みました。
一番興味深く読んで 面白かったのは

「帝国ホテル建築物語 」
著者  植松三十里/著
出版者東京 PHP研究所 2019.4

帝国ホテル建築の物語ですが世界的建築家フランクロイドライトの厳密すぎるほどの 細部までのこだわり。
大工 石工たちとの 確執 理解までの苦難。
一番は 利益 効率追求の 経営陣のライトへの追及。
関東大震災でも 壊れなかったライトの設計。
火事などなど 苦難をのりこえ
1923年(大正12年)に完成した帝国ホテル旧本館「ライト館」の建築にかけた男たちの熱い闘いを描いた長編小説です。
ライトは完成を見ることなく 経営陣に解任され 離日。
一番弟子の 遠藤新の指揮のもと 完成。


ライト館
フランク・ロイド・ライト 設計。
鉄筋コンクリートおよび煉瓦コンクリート造、地上3階(中央棟5階)、地下1階、客室数270。
1923年(大正12年)竣工。1968年(昭和43年)新本館建設のため解体。

この名建築は 今は ありません。
玄関部分だけが 保存され 明治村に移築されています。
この移築も困難を極め 10年かかったそうです。

すばらしい建築で 一度見たかったなぁ・・・
庶民には縁のない ホテルだったでしょうが・・・・

ホテル宿泊者のクリーニングサービスは世界的にも 評判がよかったとか
ビュッフエスタイルの食事を日本ではじめて取り入れたのも帝国ホテルだそうです。

私はビュッフエスタイルの食事は落ち着かなくて 好きではないですが
帝国ホテルの食事はしてみたいです。

世界へと開かれた日本において、迎賓館の役割を果たしていた帝国ホテルも 時代の移り変わりとともに変化し
高層ビルとなりました。
今では誰でも 利用できる シティホテルとなりました。

フランクロイドライトの代表作の一つに
自由学園明日館があります。


見学した時のブログです。
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そういえば
「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」(原題: So Long, Frank Lloyd Wright)
サイモン&ガーファンクルの歌がありましたっけね・・・。
わりとすきでした。

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2019年03月31日

共依存(傲慢と善良)

傲慢と善良 という本を読みました。

タイトル   傲慢と善良 
著者    辻村深月/著
出版者 東京 朝日新聞出版
出版年  2019.3

内容(「BOOK」データベースより)
婚約者が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる―。

紹介では 婚約者に逃げられた男の話のように書いてあるのですが 実は 逃げた彼女のストーリーが中心です。

婚活を繰り返す アラフォーの男と女が 婚活アプリで巡り合った。
結婚も決まり 幸せなはずだったのに 忽然と消えた彼女。
彼女の過去を追ううちに わかってきた事実。

彼女は 自分に気が付いたのです。
「進学、就職、恋愛、友情、結婚…。あらゆる選択を決断してきたのは本当に「私自身」なのだろうか?」


子供の時から 母親の言うなり。 決めたことに従っていた自分。
結婚相手さえ 母親が決める そんなことを繰り返してきた自分。
地元ではお嬢様学校の ○○校に入学 これで就職も 結婚も安泰。
しかし見合いをしても まとまらない。
自分が 相手に100%を求めている 傲慢さに気が付く。
自分のプライドが相手を選ばせる。
100%を求めてはいけないと わかっているのに。
自分も100%ではないとわかっているのに 相手を値踏みしたりする
傲慢さが 自分の中で芽生えてしまう。
あんな人が 結婚できて幸せそうなのに なぜ彼女よりすぐれている私が選ばれない。
そんな気持ちになったこともある。

しかし 善良なのです。人にも自分にも嘘はつきません。
あの子は 「真面目で いい子なのよ」母親はそういいます。

「いい子」でいるのがいやになった。

「傲慢」と「善良」
母親の干渉があるかぎり 自立できない。
なにもかもが 自分の意志ではないことに嫌気がさし 家を出る。

東京では 地方の○○校など誰も知らないし そんな小さなことは気にしない。
「井の中の蛙」状態だった 母親の傲慢さ。

そんなとき 婚活で出会った男とようやく付き合うことができて・・
自分に自信がない・・はたして 結婚できるのだろうか。
不安になる。

焦る30代の結婚と自意識。親子関係 そして周りとの複雑な関係を描いています。

「傲慢と善良」というタイトルは、J・オースティン「高慢と偏見」のオマージュだそうです。
18世紀の女性の立場とは 違いますが 結婚ということをゴールと考えると
女性の立場は 深刻なのです。

今 そう思う人は少ないですがね・・・。

小説のストーリーは なかなか変化に富んでいて生き方の選択もあって
面白いです。
レールの上をただ 歩いていく生き方から 自分で選択した 道を行く。
これもまた 幸せな生き方でしょう。

人と人の出会い。
我が子可愛さ そして幸せにするという 親の「傲慢と善良」
そんな行き過ぎた感情が 心を壊していくこともあります。

愛情と言う名の支配。
それを快く受け入れている 家族もいます。
これは 「共依存」という状態だそうです。
依存は片方だけなのですが 依存するほうもされるほうも その状態がいいと思ってしまい
おかしいということに気が付かなくなるのです。

「私がいなきゃ ダメなのよ。私がいなきゃ 何もできないのよ。私が・・私が・・・」
それを受け入れる ほうも 自分で考えるより してもらったほうが 楽だ心地よい そして相手を親を喜ばせることができてうれしい・・・

「人を世話・介護することへの依存」「愛情という名の支配」が起こっていることに気が付かないのです。
共依存者は、相手から依存されることで 自分の存在価値を見出しています。
相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることが多いです。
そして 自分の心の安定と満足感を満たしています。

まさに 傲慢と善良 なのです。
善良でなくては 相手を受け入れられないんです。

共依存。
あなたのまわりにも いるかもね・・・・。
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2019年03月10日

東京大空襲の日

今日 3月10日は東京大空襲の日。
死者数が10万人以上の1945年(昭和20年)3月10日の夜間空襲(下町空襲)が行われた日です。

3月10日は陸軍記念日でしたし
3日ほど前から 卒業式のため多くの子供が疎開先から一時帰宅していたといいます。
20歳未満の子供の犠牲者は犠牲者10万人の4割ほどだそうです。
そもそも 民間人10万人もの犠牲者 100万人もの人が家を失いました。
東京都は、1944年(昭和19年)11月24日以降、106回の空襲を受けていますが 3月10日は さらに大規模な攻撃でした。

民間人への機銃掃射も行われました。
いかなる理由があろうとも この行為は決して 許されるものではありません。
本所 深川 城東 下町の町工場があったところです。
住宅密集地でもありました。
焼夷弾有効度が高い地域ということで 重点的に空襲が行われたそうです。
3月10日 午前0時に B29300機以上で「ナーパム弾」と言われる ゼリー状のガソリンを約50センチメートルの筒状の容器に詰めたいわゆる「クラスター爆弾」のようなものを 雨あられのごとく 落としました。
春の強い風もあって 火災旋風がおこり 下町は焼け野原 焦土と化しました。
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昨日 本を読み 東京大空襲の恐ろしさを改めて 感じました。

タイトル   不死鳥少年 
        アンディ・タケシの東京大空襲
著者     石田衣良/著
出版者   毎日新聞出版
出版年   2019.2

内容紹介
<アンダイング=不死身>とあだ名をつけられた日系二世の少年・時田武14歳。父の国の大空襲から母と家族を守り、炎そのものとなった街を駆ける…。3.10東京大空襲の物語。

さすが 石田衣良さんです。
ぐんぐんひきこまれ 一晩で読み終えました。
途中で やめることができませんでした。
あまりにも リアルでまるで自分がそのころの東京にタイムスリップしたような気がしてしまいました。

敵国アメリカとのハーフの少年が スパイだとか言われないいじめを受けながらも 「日本人」として 生きて国や家族を守るのだと 強い決心をし何事にも負けない心を持っています。
前半はそういう 少年の生き方や 戦時中の隣組 食糧事情 学業にかわる軍需工場での様子などを描いています。
空襲を受けた 丸の内や銀座の様子なども描かれていました。
描写はリアルで 当時の様子が手にとるようにわかりました。

戦時中の思想統一 など異常な精神論や隣組の相互監視の風潮もあって 混血児には生きにくかったでしょうがそんな中にも14歳の青春があって 精一杯生きている姿が いじらしかったです。

物語は3月7日からはじまり 3月10日へと・・・
最後の10日の描写はとても 辛いです。
突然はじまった 空を真っ赤に染める空襲。
家族7人を率いて 守らねばならないという使命感に燃える 少年。
炎の中駆け抜ける少年の姿。
ゼリー状のガソリンを使った爆弾は中から矢のようなものが降り注ぎ 容赦なく人を殺し 家を焼き尽くす。
道路は煙突状になり 黒い煙が津波のように押し寄せる。
炎が旋風になって 竜巻のように襲ってくる。
逃げまどい 折り重なって死んでいく人々。
それでも 少年は家族を守るため突き進む。
川という川は 人の死骸であふれている。
どこへ逃げればいいのか・・・
緊迫した様子が リアルに描かれています。
2時間半ほどの空襲で10万人以上の人が亡くなりました。
戦争をしらない時代の自分が 母から聞いた東京大空襲の話を 伝えて残していかねばならないと 石田さんは思って書かれたものだそうです。
充分に伝わりました。
東京大空襲の悲惨さ・・・
言葉も出ないほど 心が痛む内容でした。
でも みなが知っておくべき事実だと思いました。
たくさんの人に読んでもらいたい本です。
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江東区の主婦たちが建立した母子像「戦火の下で」

焦土と化した下町に 今私は住んでいます。
何事もなかったかのような 平和な時代に同じ場所で生きています。
ところどころに 戦争や空襲の碑などはありますが 死体が埋まっていた公園も今は 子供たちの遊び場になっています。

東京には慰霊堂はありますが これはあくまでも関東大震災のものだそうです。
都立の戦災資料館はありません。
東京大空襲・戦災資料センター が江東区にあります。
これは民間の寄付でできたものです。
多くの犠牲者を出して首都が破壊されたのに
なぜ 東京都は 東京大空襲の資料や証言 人々の記録をきちんと残さないのか 疑問です。
あの極悪 民間人への非道な無差別攻撃(大虐殺)を記録として残せないのはアメリカへの忖度なんでしょうかね。

3年ほど前 東京大空襲・戦災資料センターに行きました。
そのときのブログです。

東京大空襲・戦災資料センター

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2018年08月22日

1億円のさようなら

少し前に いい本を読みました。
もちろん 面白かったですが それよりも評価は「いい本」っていうことです。
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タイトル一億円のさようなら
著者白石一文/著
出版者東京 徳間書店
出版年2018.7

内容(「BOOK」データベースより)
連れ添って20年。発覚した妻の巨額隠し資産。続々と明らかになる家族のヒミツ。爆発事故に端を発する化学メーカーの社内抗争。いまを生き抜く大人たちに贈る極上娯楽小説。

白石一文 さん。
この人の文章は 読みやすく 優しいです。
人にやさしいということです。
読んだあとが さわやかで 心がほっこりする感じです。

「連れ添って20年。発覚した妻の巨額隠し資産。
続々と明らかになる家族のヒミツ。
爆発事故に端を発する化学メーカーの社内抗争。

俺はもう家族も会社も信じない――」

こんな本の表紙を見ると 穏やかじゃない表現で どろどろした内容かと思いましたがそうじゃなかった・・・

子育ても終わり 夫婦平凡な日々。
会社でも家庭でも 疎外感を感じている男が ある日 妻が巨額な資産を隠し持っていたと知ります。
そこから ひずみが起こります。
妻から1億円を渡され 家を出る決心をした男。
それで タイトルが「1億円のさようなら」なのです。

そして 新たな人生が始まります。
様々な 人生模様が描かれます。

「この2年間、ぼくはこの作品をおもしろくすることだけ考えてきた。これで直木賞を取りたかった」(著者)

新天地を金沢に選んだことに 親しみを感じ 町の風景 食になつかしさを覚えながら読みました。
どきどきする場面や うまく生きすぎてどこかで どんでん返しがあるのじゃないかと ハラハラです。

会社とのかかわり 家庭での立場 家族それぞれに 生きざまがあって そして
最後に 「1億円のさようなら」が みごと 完結して
一気に読めました。
それにしても みごとな 締めで 読後感がさわやかでした。

次作にも期待します。
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2018年04月16日

コンタミ

コンタミというのは コンタミネーション(英語: contamination)のこと。
特に科学実験の場における汚染のことで「 実験汚染」「実験室汚染」「試料汚染」などの訳語があてられる場合もある。
ちょっといたことで実験中の 試料に異物が混入したりして 汚染されることです。
こんな本を読みました。
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コンタミ 科学汚染 
出版者東京 講談社   2018/3/21
伊与原 新 (著)

内容紹介
【注】 この本には、「信じたくない」真実が含まれています。
「ニセ科学」――それは、根拠のないでたらめな科学用語をちりばめた、科学を装う「まがいもの」。

大学院生の圭は、指導教員の宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪れる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者・美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか?圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが…。すべての真相が明らかになるとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつける―。善意に付け込む、汚染された科学を暴く、サイエンス・サスペンス!東京大学大学院出身の著者が放つ、衝撃作。

あなたは、真実を知る覚悟はありますか?

というような 出版社の内容紹介なのですが 要するに 巷にはびこる ニセ科学をテーマにした小説です。
小説で 偽名になってはいますが その商品が簡単に想像できるのが おもしろいというか ニセ科学商品が普及しているということなんです。
人の弱みに付け込み 善意に付け込み イワシの頭のごとく 信じる者は救われる みたいなことで 高価な商品を売りつけている業界が多いこと 多いこと・・・
がんが治る 美容にいい ○○病が改善される・・・藁をもすがる 人たちの心にうまく入り込んでいきます。
科学汚染 と同じですね。
放射能が消える 水が浄化される・・・ああ〜これは ○○菌のことだって すぐわかります。
美容○○棒だの ○○水だの すぐ 商品名が浮かぶのが 怖い・・・・

神社のお守りのごとく 信じれば力強い味方になるってこともあるし 
プラセボ効果というのもあるし
騙されやすい人もいるし 
暗示みたいなこともあるし
信じる信じないは その人の自由だし とやかく言うことではありませんが
弱みに付け込み 高価格で売りつけるのは ちょっと許せない。
信じて亡くなった人もいるから 困るのです。

血流がよくなるという 磁気○○ですが
血液中の赤血球にヘモグロビンが含まれていて、そのヘモグロビンは鉄を含んでいるから磁力に反応するということなんでしょうが 血液成分はイオン化されていて そういうことにはなりません。
もし、血液が磁石に影響されるとしたら、赤血球が磁力によって引きつけられて血管壁にくっ付いてしまって脳梗塞にでもなりそうですし MRI検査の時は どうなるんでしょーーー想像するだけで 笑えます。
実は様々な研究によって血液は磁力に影響を受けないという結果もでています。
でも おまじないのように スポーツ選手などは ネックレスしていますよね。
あれはまさに おまじないの域か スポンサー関係でしょうね。

私の知人に ニセ科学を信じて 奥さんががんになったとき 積極的治療を受けさせず 自分が心酔する
○○水と ○○ヘルツという電磁波を電話で送って 治すということを信じ切って 亡くなってしまいました。
初期がんですぐ 手術すれば よくなったと思います。
電話は1回 2万円とかで・・・
冷静に考えれば そんな馬鹿な事。。。って気が付くはずなのですが もう心から 信じている人には 何を言ってもダメなようです。
電話線で 電磁波送れるなら 世の中大変なことになりますよねーーー
しかも それが 治療だなんて・・・・それやっているの 医師免許もったひとです。

目に見えないもの 測定できないものを いいことに あたかも真実のように 広めるのは
コンタミですよ。
まっとうな 科学が汚染され 否定されてしまいます。

この本は 信じたくない真実とともに 「理性」と「感情」のジレンマをも描いています。
人の心って 弱くてもろいものですね・・・・

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2018年02月09日

しあわせの黄色いバス

しあわせの黄色いバス という本を読んだ。
黄色いバス と言えば はとバス。
そのとおり はとバスが舞台の 本でした。
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タイトル   しあわせの黄色いバス 
東京バスガール物語
著者    あべ美佳/著 
出版者  東京 PHP研究所
出版年  2018.1

内容(「BOOK」データベースより)
初添乗に臨む新人バスガイドの美織。しかしアナウンスは拙く、失敗してばかり。そんな彼女を見かねて、助け船を出したのは、一人の女性客で…(「東京のバスガール」)、国際結婚した若い妻の不機嫌に右往左往する夫(「嫁に来ないか」)、共同経営者と訣別した女性の携帯に届いた音楽に込められたメッセージとは?(「なごり雪」)など、一台のバスに乗り合わせた人々の人生模様を、昭和の名曲とともに綴る傑作短篇集。


著者が 実際 「懐かしの昭和浪漫紀行」に体験乗車したそうです。
楽しそうだなあ・・・

東京駅丸の内南口 〜  靖国神社 (参拝)   遊就館 (神職の案内つきで見学)  〜二重橋前ー楠公レストハウス (江戸エコ行楽重)〜  東京タワー・大展望台  〜 水上バス 日の出桟橋 お台場往復〜東京駅丸の内南口 

こんな ツアーでした。
はとバスに乗り合わせた乗客たちの物語で、1話ずつ読み切りですが 連作形式。
どこかで 誰かとつながります。


新米バスガールを 助けてくれた 70代のご婦人の みごとな 「東京のバスガール」の歌と 解説。
実は 元バスガールさんでした。
一人で 参加した 訳アリ女性や 定年後の男性や 関西のおばちゃんたち。
娘のような 外国人とペアの 二人連れ。
見知らぬ人たちが 乗り合わせたバスは それぞれの 思いを乗せて 走ります。
乗り合わせたお客たちの人生模様を、昭和歌謡と共に綴る、明日の元気が出てくる人情物語です。

はとバス。
このツアーの舞台となる場所は 全部 行ったことのある場所ですが
なぜか 新鮮味がありました。
そして 歌う 昭和歌謡も なつかしくて 口ずさみたくなりました。
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はとバス また乗ってみたいです。

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2018年01月24日

妻たちの2.26事件

東京の大雪というと 2.26事件を思い起こす人もいるのではなかろうか・・
もちろん 実際には知らない事件で あくまでも伝聞や歴史の知識でしかない。

2・26事件とは 1936年(昭和11年)2月26日から2月29日にかけて、皇道派の影響を受けた陸軍青年将校らが1,483名の下士官兵を率いて起こした日本のクーデター未遂事件である。

何度か 事件については 本などで読みました。
高橋是清さんが 殺されたのもこの事件。
青年将校や 殺された時の 内閣の人などのことは 本になったりドラマになったりで 知られています。
しかし・・
その陰にいた 犯罪者となり処刑された 人たちの妻の話は語られませんでした。
今回 新装版ではありますが そんな妻たちの 本を読みました。
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タイトル   妻たちの二・二六事件
著者     澤地久枝/著 サワチ,ヒサエ   改版 新装版
出版者   東京 中央公論新社 文庫
出版年   2017.12

内容(「BOOK」データベースより)
二・二六事件で“至誠”に殉じた熱血の青年将校たち。遺された妻たちは事件後、どのような人生を歩んでいったのか。困難な取材をねばり強く重ね、文字通り足で歩いて検証した、もう一つの二・二六事件。衝撃と感動を呼ぶ、ノンフィクションの金字塔。

これは 1975/2/10 発売の本の 新装版です。
ノンフィクション作家としての澤地久枝の処女作。発表当時、非常な衝撃と感動を呼んだ作品。

二・二六事件蹶起将校の残された妻、家族を女性目線で 追ったルポタージュ。
当時は あきらかな 男尊女卑の時代。
妻は 黙って夫に 従うのがあたりまえ。
決起は 妻にも 知らされることなく 行われ 事件後 はじめて 夫がかかわっていたことを知った妻たちの その後の人生です。

青年将校たちには 新婚 半月という人もいたし まだ何か月かの結婚生活 おなかに子供のいた人も いました。
二・二六事件蹶起将校が「叛乱軍」です。
軍歴もも階級もみな 取り消され 残された 妻には 恩給もありませんでした。

若い妻たちは 反乱者の妻 という烙印をおされ 世間の目を避けるように 生きた人もいます。
給料も年金も 預金すらなく 困窮した人もいましょう。

この本は 女たちの長く苦しみに満ちたそれぞれの人生を記録したものです。

男の大義の 裏で 人生を狂わされ 泣いた女たちが いたということです。

事件そのものの 難しいことは わかりませんが 今まで 語られることのなかった 妻たちの苦しみを知ることができました。

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2018年01月16日

赤いオーロラの街で

SFに分類される本を読みました。
しかし これは SFというより 近未来に起こりうる 災害の物語です。
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タイトル赤いオーロラの街で 
著者  伊藤瑞彦/著 
出版者東京 早川書房(文庫)
出版年2017.12

第5回ハヤカワSFコンテスト最終候補

出版社 内容紹介
もしも太陽フレアの影響で、世界停電が起こったら?
舞台は北海道、迫真のシミュレーション小説

仕事に悩む 青年が 北海道斜里町に出張中 赤いオーロラが 空を覆う。
街中が停電。
変電所は焼け 通信網も上下水道も 使えない。
この町だけかと 思えば どうやら 世界中らしい。
インターネットも電話を使えない。
とぎれとぎれのラジオの電波を拾うと 超巨大な太陽フレアによるもので、全世界の通信・交通網もすべてストップ。完全な復旧には少なくとも数年かかるという。

東京に戻れない。飛行機も飛ばないから 旅行客は帰宅難民となっていた。
産業もSTOP.
さぁ・・どうする。

電気がある生活が当たり前の社会。
『シミュレーション小説』として 備えとして 一読の価値ありです。

解説は太陽フレア研究の第一人者で一般書「太陽 大異変 スーパーフレアが地球を襲う日」を書かれたこともある宇宙物理学者,柴田一成京大教授。
ほぼ 正しく描かれているそうです。
その日のために 備えのために 参考になるそうです。

19世紀に起きた「キャリントンフレアのような」のフレアで生じる事態を超える 想定をしなくてはいけません。
キャリントンフレアを超えるスーパーフレアが太陽で起こる確率はたったの数百年に一度の確率とさえ言われています。
千年に一度の 大地震を体験した私たちに できることは 何か・・・
便利さを求めるあまり 大切なものを失ってきたのではないでしょうか。

電気 通信 が途絶え 幸寿も稼働できない 石油も 食料も輸入できない。
大都会の 高層ビルは エレベーターが動かなければ どうしようもなくなる。
トイレも 使えない。
食糧は なくなる。
モノの値段があがりお金では買えなくなる。
それ以前に オンラインが使えなくて 預金が出せません。
生き残るのは 自給自足できるところなのか。

都会はゴーストタウン化し 田舎に 移住していく。
でも 田舎だとて 自分たちの生活を守らねばならない。
まるで 戦時中の疎開のように なってしまう。

この本は 幸いにも性善説で 都会の人を快く受け入れるという内容なのですが
はたして そうなるか・・・

人間て 善悪もまわりの環境などに左右されるし 都会から人が押し寄せてもすべて 受け入れられるか・・と
疑問に思いますね。

文明は 中世に戻る。
馬車で移動 木炭自動車。
温泉地は 疎開民であふれる。
川の水 井戸水 ・・・
畑仕事 それぞれ工夫しながら 立ち直っていきますが 人間の知恵に期待するしかないでしょうね。

 超巨大太陽フレアによる世界停電。
明日訪れるかもしれない天災を この本で体験してみるのもいいかもしれません。
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2017年12月20日

ヨコハマメリー

少し前に ある本を読んだ。
小説ではなくて ドギュメンタリー本。
この本は映画をつくるため 取材したというような 内容。
その表紙の衝撃に すぐは受け入れられなかった・・・
ようやく 私の記憶に残しておこうという気になりました。
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ヨコハマメリー  :かつて白化粧の老娼婦がいた
中村高寛 (著)
出版社: 河出書房新社 (2017/8/28)

内容(「BOOK」データベースより)
歴史の中に埋もれていた幕末以来の“娼婦たち”を掘り起こし、一方で“メリーさん”の周辺に生きる人々の人生を見つめた渾身の実録!時代とともに“ヨコハマ”の町が変遷していく姿を背景に、謎めいた“ハマのメリーさん”の鮮烈な全貌を描くドキュメント!

末尾に、ほぼ10年前に原稿は完成していたが、自身の意思でお蔵入りにしていたこと、それを今、出版した理由が書かれています。


表紙の写真。ほぼ生涯娼婦だった高齢のメリーさんの姿に衝撃を受けました。
白塗りの顔。白いドレス。
娼婦として横浜の街角に立つ メリーさんの姿は 特異だが 貴賓があり 凛とした貴族のような姿だった。
施しは受けず ホームレス状態だった メリーさんが 忽然と横浜の街から消えた・・・

メリーさんは 何ものだったのか?
白いマネキンを見た ・・人形か?
そんな 目撃者はたくさんいたが メリーさんは生身の人間として実在しました。

自らは何も語らず 1960年頃から1995年まで、真っ白なドレスに真っ白な化粧で、横浜、関内・馬車道・伊勢佐木町界隈に出没していた老婆。もちろん 若いころもあったわけですが 話題にのぼりはじめたのは、老いた80年代頃から。 

戦後 占領下にあった日本。
多くの娼婦たちがいた。
メリーさんは 高級将校のみを相手にする、プライドの高い娼婦だったらしい。
そして 帰国した一人のアメリカ人将校を 横浜の街で生涯待っていたとか・・・

移り行く横浜の街と メリーさんの生涯を 関係者の証言や 写真をもとに書かれたドギュメンタリーです。
それは 重く心に響くものでした。

横浜は 外国人の住んだ街。唐人お吉の噂高いヨコハマ。
幕末の 異人町から 戦後の占領下まで・・
そこには たくさんの娼婦たちがいた・・・

“ハマのメリーさん”
生まれ故郷に戻った メリーさんの最後が おだやかでよかった・・・・

何も語らない メリーさんには 何も聞かない。
そんな ドギュメンタリー。
横浜に生きた メリーさんと メリーさんを温かく見守り続けていた人たちの 人生が語られていた。

映画になって 公開されているそうです。
心に残る 1冊でした。


メリーさん(本名非公開、1921年- 2005年1月17日)
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2017年10月11日

ストーカー

時々 ストーカー殺人などという 悲惨なニュースがあります。
人間の 執着心というか 嫉妬というか 思い込みは 怖いです。
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タイトル   消えない月 
著者   畑野智美/著
出版者東京 新潮社
出版年2017.9

内容(「BOOK」データベースより)
出版社に勤務する松原とマッサージ師のさくら、二人は、付き合いはじめ、やがて別れる。それで終わりのはずだった。婚約までした男と女の関係は、はじめから狂っていたのかもしれない。加害者と被害者、ふたつの視点から「ストーカー」に斬り込んだ、残酷にして無垢な衝撃作!!

こんな本 読みました。
ストーカー殺人の本。

内容は マッサージの客に気に入られ いい感じの人なので 付き合い始めたとたん 束縛 言葉の暴力 嫉妬 思い込みに気が付き 別れようとするが 意思の弱い彼女は はっきり 言えない。
男は 自信過剰で すべて相手が悪い と・・・自分は 悪くない。
腹いせに 彼女の職場の悪口や 内情をネットで広げる。
彼女は職場をやめるのだが
逃げても 逃げても追いかける・・・そして 最後には。。。

というような お話です。

この 男は 自分は悪くない。
相手が 悪い。
自分の魅力や 能力をわかってくれない。
わかってくれないのが 悪い。
わかってもらいたいから 追いかける。
甘やかされて、人の顔色ばかり窺ってちやほやされて 育ってきた。
おもうように 仕事ができないのも
会社が悪い。上司が悪い。
自分の能力の評価ができないからだ。
約束を守らなくても 自分がわるいわけではなく 都合があったからだけ。
まわりが バカにみえて
だから 自分をまっとうに評価できないだけだ。
彼女もきっと そうなんだ・・・・

これはもう 思い込み 自信過剰 精神的におかしい男でしかない。

こういう人いますね〜
自分で悪いところ治して 協調して 改善しようとしない人。
会社や職場 やめても
自分がわるいわけではなく まわりが 悪い。
あげくのはて やめたとたん
相手の 内情や悪口をいいふらす。
ほら・・・
最近 離党した人。

離党したなら 信念があってのこと。それは それで まっとうでしょう。
やめたあとで マスコミやネットで中傷記事をまき散らすのは 非礼だし 人間としてどうかと思う。
そりゃぁ〜
会社やめて 愚痴る人 たくさんいます。
でもそれは 居酒屋や親しい人のまえで 会社や上司の 悪口いって うっぷんをはらすくらいでしょう。

おまけに 未練たらたら 気になるようで 相手のことブログ書いたりして・・・
まるで ストーカー。。。。

ストーカーというのは 自己中か 人としての何かが欠落しているのだと思います。
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2017年09月20日

移植医たち

今でこそ 臓器移植ということばが 普通に使われていて ドナーカードなるものも 保険証の裏についています。
日本での臓器移植が どんな風にして行われるようになったのか・・・
日本人というのは死生観が 独特で なかなか 人間の死にたいする考え方が 厳しいところがあって 難しいのです。
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移植医たち
著者    谷村志穂/著
出版者東京 新潮社
出版年2017.8

内容(「BOOK」データベースより)
「情熱、野心、そして愛―すべてを賭けて、命をつなげ。1985年、まだ実験的段階にあった臓器移植。最先端の医療を学ぶため渡米した3人の日本人医師を待ち受けていたのは、血の滲むような努力も崇高な理想をも打ち砕く、シビアな命の現場だった。苦悩し、葛藤しながらも、やがて彼らは日本初となる移植専門外科を立ち上げるが…。命を救うための最終手段である臓器移植。限界に挑む医師たちを支える想いとは。命と向き合い、生きていくことの意味を問う傑作長編。」

日本初の心臓移植後 タブー視されてきた 臓器移植。
アメリカで学ぶ 日本人医師たちの 熾烈な戦い。
アメリカでは 普通にうけいれられる 脳死も日本では 受け入れられない。
アメリカまで 大金を集め 移植を受けに来る 日本人たち。
臓器移植法案をきっかけに 帰国した 医師たちを 待ち受けていたのは
白い巨塔 といわれる 大学病院のシステム。
とにかく アメリカ式は なにもかも 異端視。受け入れられない。
バッシング マスコミ攻撃 嫉妬 告発・・・
そんな なか 命を救いたいと 頑張る医師たち。

そんな 内容です。

さて 移植ねぇ・・・・
ドナーになるかって?
ナイショ。。。。
日本人って なんか わりきれないところあるんですよね〜
死んだ人の身体にメスをいれるってね。
まして まだ動いている心臓を 脳死だからといわれて 諦めきれるか。。。
難しいなぁ〜
などと 思いました。
勇気ある人には 感謝 ですね。
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posted by うめのはな at 16:46| Comment(2) | 読書

2017年09月13日

埋もれた江戸

江戸時代 大名屋敷があったところは 再開発の時の 埋蔵文化財調査をしなければなりません。
加賀前田藩があった 東大は 赤門が有名ですが 屋敷跡ということで いろいろな遺構が出ています。

江戸時代、東京大学本郷キャンパス(東京都文京区)には、加賀藩やその支藩である富山藩や大聖寺藩など多くの大名屋敷がありました。
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タイトル   埋もれた江戸
東大の地下の大名屋敷
著者    藤本強/著 
出版者  東京 吉川弘文館
出版年  2017.9
形態事項   313p 19cm
シリーズ名   読みなおす日本史 

内容(「BOOK」データベースより)
東京大学の改築工事の際に、加賀大聖寺藩の上屋敷跡が検出された。何層にも重なる遺構と大量の出土遺物から、焼失・再建の変遷や食器などの時代的推移が判明。近世史を塗り替える成果を、調査の臨場感と併せ紹介する。

東京大学の地下から大聖寺藩の江戸上屋敷の遺構があり 調査を進めると 古九谷 など遺物のの宝庫であった。
陶磁器が語る消費と流通が想像されます。
地下式土坑も残っていたし 木樋や 排水施設も 地下室もみつかった。
池の底から 将軍の「御成」と饗宴の跡があったし その規模の大きさもわかってきました。
しかし 箸や折敷 大量の かわらけ から 数千人〜9000人ほどの 宴だったとわかっているそうですが 大量の食材はどうして調達し どうやって 調理していたのか その費用も 準備も 興味深いです。
「御成」も 「参勤交代」も 大名の力をそぐための 儀式だったのでしょうか・・

杭のあとから 計られる江戸時代の基準尺度。
京間・江戸間・越前間の尺度等 次々と貴重な遺構が出てきました。
しかし 病院建設という 時間との戦いで そのまま埋め戻せという 意見もあったりしました。

何層にもあった遺構。
度重なる 江戸の火災で 燃えたものを埋め立ててしまったらしいです。
掘ってみれば 階段があり 地下室があったり それはもう 江戸を知るには 大切な遺構なのです。
江戸時代というのは すごい時代だったと わかります。
300年にわたる 初期から〜末期の江戸の文化を知ることができ とても 面白い本でした。
少し 専門的で 難しい部分も多々ありましたが それは 他の知識で 補うことができます。
今まで 東大博物館など そして 東大構内をじっくり見学していますから ああ・・・これはあそこか、とか 地理的なことは 解決できましたし 江戸の文化財は いろいろ 見てきましたので 本だけでも 想像がつきました。

江戸間と越前間の 比較も興味深かったです。
加賀藩では当初
越前間(1間6尺3寸≒1.91メートル)を使っていたと・・・
その後の八百屋お七の火災後の建て替えでは江戸間が使われたそうです。
少なくとも 17世紀末期からは 江戸間が 基準尺度になったと思われると書かれていました。

京間は一間が6尺5寸、江戸間あるいは田舎間が6尺です。6尺3寸の越前間あるいは中京間もあります。

現在は団地サイズなんていうのもあって 田舎の6畳間と 都会の6畳間では 広さが見た目でわかるほど違いますね〜
江戸間は 狭い・・・・。
これは 福井の家と比較しても すぐわかります。

文化財や 遺構が好きで あちこち 巡りましたが 歴史散歩も面白いです。

昔を知ることは 今を知る ことにも繋がります。
こういう本もなかなか いいものです。
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posted by うめのはな at 10:07| Comment(0) | 読書

2017年09月06日

山登り

山の本を読んだ。
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SOLO
著者  笹本稜平/著 
出版者東京 祥伝社
出版年2017.8

「孤高のクライマー・奈良原和志。
アルピニズムの極北を目指し、ヒマラヤ屈指のビッグウォール、
ローツェ南壁に挑む! 」
小説です。
たった一人で 8000mの山に挑戦する 一人の日本人の話。

ネパールの 商業登山の様子 や どんなふうにして 頂上を目指すのかが よくわかりました。
ベースキャンプをつくり そこから 登るというような基本的なことも含めて なかなか興味深かったです。

もう 今は山登りはしませんが 昔は お散歩程度の山登りしました。

立山・雄山 これは3003m。(頂上の神社にお参り)
乗鞍岳 3026m(夏でも雪渓で ヒンヤリ)
箱根 明神ヶ岳 1169m(笹のブッシュを漕いで 行きました)
三つ峠 1785m(ここからの富士山は きれいです)
丹沢・大山 1252m(低いけど 険しい山)
那須 茶臼山 1915m(何度も登りました)
その他 もろもろ 蔵王だ筑波山だ 高尾山だの ハイキング程度の山。

やはり 立山が一番 きつかったかもね。。。。
頂上付近は ほとんどはいつくばってでした。
ああ・・・大山も意外と 大変な箇所あったように思います。

よく 登ったなぁ〜って 思いますが そのころは 登ることが目的でしたので 達成感を味わうためだけだったでしょうね。
本格的な登山はしたことがないし したいとも思いませんでした。
どんな 簡単な山でも 水 食料 防寒具など それぞれリュックにいれて 備えありで 登りました。

この頃 サンダルで 半袖で ちょいとそこまで・・って 登ったりする人がいるって 報道でありましたけど
甘く見るなよ〜〜って 感じです。

今は もう 階段のぼるのさえ 坂道あるくのさえ いや!!
です。
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posted by うめのはな at 14:49| Comment(2) | 読書

2017年08月26日

ニュータウンクロニクル

昨日 ニュータウンのことを書きました。
最近 「ニュータウンクロニクル」という本を読みました。
今日は 昨日の続きのような 本 の話です。
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タイトルニュータウンクロニクル 
著者 中澤日菜子/著 ナカザワ,ヒナコ
出版者東京 光文社
出版年2017.7
(出版社 内容紹介)
「 中澤日菜子氏の最新作、『ニュータウンクロニクル』は、1970年代初頭に造成された〈若葉ニュータウン〉を舞台にした、文字通りの年代記。一章「わが丘 1971」から終章「新しい町 2021」まで、高度成長やバブル、東日本大震災を経て東京オリンピック後に至る50年史を、10年ごと全六章に切り取ってゆく。」

これ ずばり 多摩ニュータウンの話です。もちろん 小説です。
1969年東京生まれの中澤氏は15歳まで八王子の団地 高1からは多摩ニュータウンで育ったそうです。

郊外に開発された巨大な人工の町。新住民と 旧住民の対立。
考え方の相違など を新住民の視点で見ていきます。
50年という長い スパンで10年ごとの NTの変化を描いています。

高度成長期。住まいを求めて 希望にあふれニュータウンにやってきた新住民たち。
当然そこには 古くから住んでいた旧住民たちが山を売り切り開いた土地でした。
売った土地で 成金になった人たちもいれば そうじゃない人もいる。
しがらみ 慣習 なれ合いを嫌う新住民との対立。
何かを提案しても ことごく 否定されて 溝はますます深まる。

私が住んでいたところも ニュータウン側に駅がなくて 高い跨線橋をぐるっとまわらないと駅に行けませんでした。
駅利用のほとんどが 新住民でトンネルをつくるか 橋上駅にするか はたまた改札口をニュータウン側にする という提案を何度もしますが聞き入れてはもらえませんでした。
「旧住民は利用しないから 困っていない」という理由です。

みなが高齢者になり 上り下りも不自由になった 近年 ニュータウンができて30年ほどたって やっとエレベーターが設置されたそうです。
そんなもんです。他にも多々意見の相違がありました。

10年ごとに描いていくと 子供たちは成長し不便な町から出ていく。
若いときは体力のあった 夫たちも長時間通勤で寝るだけの家に愛着はわかない。
買い物は 通勤帰りに都心ですます。
旧住民経営の商店街は といえば 昔のままで変化を好まない。
新住民をあてにして 開いた商店街もすたれていく。
そして空き店舗・・・・。
それでも 時がたつにつれ ここを ふるさとにしていこうという 新住民たちも出てくる。

そんな どこのニュータウンにもあるようなお話でした。
ニュータウンも今や オールドタウンになって 再生の時期ですね。
でもかわらないのは 人 かも。
いつまでたっても 新住民 という言葉は消えません。
そこから 治さなきゃ 町一体となって再生などできません。
日本独特の 問題なのかも。

マンモス団地にマンモス学校。
通勤ラッシュ。
それが 今や閑散とした 町に・・・・
ニュータウンってたいてい 遠くにつくられたものだから なかなか 若い人が住み付かないです。
最近の若い人は 職住近接を好むそうです。
このごろ 大災害もあるし 何があるかわからないし できるだけ 職場と家族が近いほうがいいなーーなど 思っています。

昔のお父さんは 通勤2時間も平気で 家族のために頑張りました。
定年になるころには子供たちはみな出て行ってしまって
年よりだけが残る ニュータウンになっているのが現状でしょう。

なんかこの本読んで 自分のニュータウンでのこと思い出してしまいました。
うん うんと うなずくことおおいにありました。
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posted by うめのはな at 09:24| Comment(0) | 読書

2017年07月24日

明治ガールズ

世界文化遺産の富岡製糸場は 最近見学者も減ってしまったそうですが 赤レンガのとても素敵な建物だそうです。
工場だから 中はがらんどうなんでしょうが・・・
その製糸工場ができた明治初期の 工女の話を描いた本を読みました。
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タイトル明治ガールズ
富岡製糸場で青春を
著者藤井清美/著
出版者東京 KADOKAWA
出版年2017.6

製糸工場 工女というと ああ野麦峠 の悲惨な話を思い出しますが これはそういう話ではありません。

内容紹介
「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」時代を動かした、少女達の物語!
明治6年。
松代藩の中級武士だった横田家の娘・英は、持ち込まれた縁談に困惑していた。
密かに胸にあるのは、幼馴染みで使用人の息子、幸次郎。けれど、身分違いの恋など許されない……。
一方、区長を務める英の父もまた、悩んでいた。
富岡にできるというフランス式の最新の製糸場に、区から工女を出さねばならないのに、誰も協力してくれない。
父の窮地が家族の話題にのぼったとき、縁談を断ろうとしていた英は、つい勢いで言ってしまう。
「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」


明治6年。藩制がなくなり 大名たちは貧しくなった。
縁談がいやで逃げ出そうというのも理由のひとつだけれど 何年かのち 松代にも製糸場を造ろうという計画があり そのために 技術を覚えてこなけえばならない という理由もあった。
ひどいことをされるのではないか 売られるのではないかと いやがって誰も行こうとはしなかった。
横田英は 区長の娘として名乗りを上げると 他の娘たちも名乗りを上げた。

はじめて見る 近代工場のすばらしさ に驚き 全国から集められた少女たちと 競い合い 寮生活。
きちんと 休みがもらえ 時間が決められた職場 給金も仕事を覚えていけばあがっていく仕組み。待遇もいい。

しかし
明治になっても 長州。
そして 大名の娘。御姫様。
身分の差。

あとから来た 長州の人たちは優遇される。
「私たち 長州です!」
その言葉が 幅を利かせていた。
しかし 近代化された 工場では きちんと声をあげ 民主的に その抗議も通った。

長州が なんだ!
大名がなんだ!
働くものはみな 同じ。

ま・・・
今も 長州です!
って のは あるでしょうけどねーーーー

だからどうってことないですが・・・・

ああ・・
とにかく なかなかいいお話でした。
身分の差をこえた恋と 故郷のために働く と どちらを選ぶのか・・
英の決断は・・・
明治の初め1年半後 16名の少女たちは松代に帰り製糸の 技術を教えたということです。

日本初の器械化された官営製糸場、富岡製糸場で伝習工女となり、その後長野で日本初の民営器械化製糸場の指導員となった女性が この横田英(和田英)さんです。
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posted by うめのはな at 14:24| Comment(0) | 読書

2017年07月18日

声なき叫び

世の中には 理不尽なことが多いものです。
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タイトル声なき叫び 
著者小杉健治/著
出版者東京 双葉社
出版年2017.6

出版社による内容紹介
「自転車で蛇行運転をしていた青年が、警察官に捕まり、取り押さえられているときに死亡した。
警察官の暴行を目撃した複数の人間がいるにもかかわらず、県警は正当な職務だと主張するのだった。
青年の父親の依頼で水木弁護士が動いたのだが……。」

こんな本を読みました。
小説ですが 内容を読むと 佐賀の知的障害者身柄確保死亡事件を モデルにしているのではないかと・・・

青年は パトカーに寄られ 拡声器で「止まりなさい」と言われ 驚いて 転倒。
歩道に逃れようとしたところを 警官に取り押さえられ 奇声をあげ あばれる。
警官は 覚せい剤でもやっているのではないかと リュックを調べようとするが 青年は抵抗。
数人で 手錠をかけたうえ 足で蹴る なぐるの 暴行。
そして ぐったりした青年に気が付く。
救急車で 運ばれるが 死亡。
その様子を 複数の目撃者が 最後まで見ていた・・・

警察官たちは 青年が知的障害者とは 気が付いていなかった。
大声でパニックに陥っただけだったのだが 薬物使用を疑った。

調べると 押さえこんだのは2人。殴ってもいないし 手錠もしなかった。
保護しただけと 言い訳します。実際は5人。足でみな 蹴っていたのが目撃されている。

青年の 体はあざだらけで 手錠の後もあった。
死因は 心不全。もともと心臓が悪かったのだろうと ・・

納得できない 親は訴えを起こそうと するが あれほど 協力的だった 複数の目撃者が 次々と 話を拒み 目撃証言を変えてしまう。

警察からの圧力。
○○を見逃す代わり 証言をするな・・・
商売上の問題
結婚の約束
脱税
いろいろ 調査され 圧力をかけられ みな 証言をひるがえす・・・

あったことも なかったことになり 正当な行為にすり替わってしまった。
そんな 話です。
佐賀の事件も 無罪でしたね〜

忖度もねつ造も 偽証もなんでもありの 国家権力です。
こんなことが
まかり通るなんて 怖い世の中になったものです。

街を歩くときは 気をつけなきゃ。

ハサミ ナイフ 持たないように。大工道具 裁縫道具もだめです。
そのうち ロープも ひもも ガムテープも 持ち歩けなくなるかもね。
職質受けられないよう こざっぱりした服を来て 大きなリュックは背負わず うろうろせずに 歩こう・・・・
電車に乗るとき 両手をあげていようね。
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2017年06月02日

ホライズン

駐在員の家族として 海外に住むっていいなぁ〜なんて 思ったこともありました。
今回 この本を読んで ちょっと考え方を変えました。
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タイトル   ホライズン
著者  小島慶子
出版者  東京 文藝春秋
出版年  2017.4

海外に職を得た夫とともに 南半球の国に移り住んだ 女性が そこで子供を産み生活していく様子を描いたものです。
同じ町には 会社の駐在員の家族として 滞在している人 領事館の人たちもいて 日本人会ののような集まりがあります。
日本人達のコミュニティには、夫の職業や住む場所によって暗黙のヒエラルキーが築かれていた。
格差というか夫の職業による身分の差 もちろん領事館の妻がNo1であるのはまちがいないし 領事館員の妻たちがその御取りまきであるのも変わりない。

現地で働くといっても 数年で他に行く ひとたちとは少し違うのに 他に知り合いもいないことから 日本人会の仲間になり いろいろな葛藤を持つことになります。
主人公である 彼女は 要領が悪く 短大出というだけで さげすまれています。
“異国に住む日本人”という共通項を持つ集団の中にあって居場所をなくしています。
彼女は 駐在員の妻たちの 序列や 嫉妬 絶え間ない噂話や同調圧力に煩わしさや息苦しさを感じてしまいます。
崩れかけていた 仲間関係は ある事件をきっかけに崩壊していきます。
日本に戻らなくてはいけなくなった人 他国へ転勤命令が出た人 夫のレストランが失敗してしまった人。
出会いと 別れがはじまります。
孤独と自立、家族と友情・・・・異国で生きる難しさを 感じます。
そんななかで すこしずつ強くなっていく 主人公の姿が見られます。

こんな 風な内容です。

一見 華やかそうな駐在員の暮らし。海外でも 序列 格差があって 大変かなぁ〜と。
これは 社宅なんかでもそうなんでしょうね〜
上司と同じ 社宅に住めば 自然と格差が生まれ 子供にも何らかの影響がありそうです。
家賃安くていいなぁ〜だけじゃ すまない 様々な葛藤もありそうで 私はいやだな〜〜〜

うちの近くに 官舎があるのですが・・・草むしりや 掃除などがあって 大変そうです。。。
奥様達の 立ち話も絶えないようで・・・・
きっと 見えない何かがあるのでしょうね〜
どこに住んでもわずらわしいのは 人間関係なのかもね。
などと 思いました。
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2017年05月23日

ときどき旅に出るカフェ

ちょっと めずらしいカフェの本を読みました。
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ときどき旅に出るカフェ 
著者近藤史恵/著 
出版者東京 双葉社
出版年2017.4
形態事項273p 20cm

タイトルだけでは どんな内容なのかわからなくて 移動カフェの話かな・・と思っていました。
ところが。。。。

お局的存在になりつつある OLさんが 近所でみつけた カフェは かって 半年ほどでやめた同僚が開いた店でした。
こんな ことからはじまる 連作短編集。
店主が旅に出るので、「ときどき旅に出るカフェ」という題名。
海外の珍しいメニューを提供するカフェ・ルーズ。
とても居心地がよく 仕事で疲れたとき 立ち寄るお店になりました。
・・と そこまでは 珍しい話でもないのですが 
海外に旅に出て、おいしいスイーツを見つけてきて それを再現し メニューにするので 聞いたこともないようなお菓子の名まえが出てきて しかも また 美味しそうに描かれていて 食べたくなること間違いないという内容です。

話もまた 女性の生き方 考え方が 描かれているのでなるほど・・と思うところ ありの内容でした。
日常の 小さな事件を解決していくのも面白いです。
店主の 円さんの 秘密も描かれ解決していくという ミステリアスな話もあります。

ここに出てくるスィーツは 海外のものが多く 名前もおぼえきれないですが 一度くらい食べてみたいと思うものばかりです。こんなカフェがあったら 癒されに行きたいです。
「いろんな国のスイーツから自分が何者にも縛られず、自由に生きていけることを知った。」
という主人公の 言葉が よかったです。
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2017年05月10日

味 秋山徳蔵 著

以前 放映された 天皇の料理番 というドラマが面白くて見ていましたが 今回 その 秋山徳蔵さんが 書いた「味」という本を読みました。
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天皇の料理番が語る昭和
著者秋山徳蔵/著 
版改版 出版年2015.1
出版者東京 中央公論新社

天皇の料理番 のドラマもそれは 面白かったし 秋山徳蔵さんが どんな人物なのかもよくわかったのですが 今回は ご本人の著書です。
著者の秋山徳三(1888年8/30〜1974年7/14)は、天皇の料理番として有名な方でした。
紹介文には こう書いてあります。
「半世紀以上にわたって昭和天皇の台所を預かり、日常の食事と宮中饗宴の料理を司った初代主厨長の一代記。若き日のフランス修業時代、宮内省大膳寮で学んだ天皇の嗜好、宮中のしきたり、また外遊に同行した際の体験などを語る。日本の西洋料理界に大きく貢献した著者の料理に対する知識と探求心が窺える、貴重な食味随筆。」

16歳で単身上京して フランスへ修行に・・・
黄色いサルと馬鹿にされても 不屈の精神で 料理を学んだかたです。
ご自分の 修行の様子も興味深いのですが 今回の内容は 天皇のご性格なども描かれていて 面白い。
大膳から 料理を運ぶ間に 冷めてしまうせいか いつも冷たいものを食されていたせいか
陛下は熱いものが苦手で、フグは危険視されていて 許可が下りず 食されたことはなかったそうです。
戦時中も 庶民と同じ 麦飯 配給で食事をとり 痩せてしまったことなど。
自家製野菜を乾燥させたり 工夫し 贅沢はされない質素な食事。天皇がそういう事情なのに 当時の軍部には豊富な食糧 缶詰があったことなども書いてありました。
華美を嫌い 国民とともに・・の天皇のお心など 知らなかったことが 満載です。
天皇の日頃の お食事はもちろんのこと晩さん会などの 料理にも触れて います。
大正天皇の御大礼延べ2千人の賜礼、満州国皇帝溥儀の話、(料理を 毒見で ぐちゃぐちゃにされたことなど)。。。

附として、完全な食事作法、全224条箇条が記されています。
うーーん。
今までの 間違いに気が付くことあり。
フォークの背に ごはん つぶして乗せるって 誰が考えたのでしょうかね?

原書はおそらく 昭和時代に書かれていると思いますが 西洋料理の礎を作ったかたで現在にも 学ぶ点がたくさんありました。
ある意味 ドラマより この本のほうが 面白かったです。
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2017年03月18日

わたつみ

綿津見 と書いて わたつみ というそうな・・・
「綿津見(わたつみ・わだつみ)神は、伊邪那岐(イザナギ)命が、妻の伊邪那美(イザナミ)命に追われて黄泉国から現世へ逃げ戻った。そして 死の国の穢(ケガレ)を祓うため禊(ミソギ)をしたとき海の中で生まれた 三神の総称であり 海を統括し守護する神である。」日本神話の海の神である。
綿津見神社・海神社 は 全国各地にある。

関西の日本海に面した小さな町に東京からリターンした女と そこに住む男女を描いた 小説「わたつみ」を読みました。
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タイトルわたつみ
著者花房観音/著
出版者東京 中央公論新社
出版年2017.2

田舎町で優秀と言われ 東京の大学を出た 女が 男にだまされ 借金を背負い 親に清算してもらい 故郷に帰ってきた。
田舎町では仕事もなく 学歴があろうがなかろうが 独身であろうが既婚者であろうが かまぼこ工場で働くしか仕事がない。
かまぼこ工場では 女性が多く 好奇の目と嫉妬がうずまく世界。
帰郷理由を あばかれたり 嫌味を言われり・・・
噂ばなしが絶えない 狭い世界。
映画監督だったという ふれられたくない 過去があばかれていく。
小さな町の 娯楽もない街では 何もかもが噂ばなし。
そこには 元配偶者との情事、ダブル不倫、出会い系サイトでの遊び―など 人には知られたくない女たちの実態があった。
少しのことでも 誰かに目撃され 嫉妬され 密告される。

1年ほど 誰にもかかわらず 暮らしてきたが 見合いをすることになる。
元同級生との見合いは いい話だった。
子供を産んで 親のそばにいて 老後の面倒を見て。。。そんな人生もある。

だけど はたして ここで 一生を終えていいのだろうか・・・
自分にはまだ やりたいことがあったではないか・・・
息の詰まる 毎日で ある日 過去を振り返ってしまう。

平穏な結婚をして 噂話で一日をすごし 嫉妬や嫌がらせに耐え 家族のためと自分を殺して 人生を終えるのがいいのだろうか・・
東京から 田舎暮らしにあこがれ オーガニックのカフェを出して 失敗した夫婦もいる。
離婚し 夫は東京に逃げ帰った。
そんなとき 東京の仲間から もう一度戻ってこいという話があった。

「東京に帰りたい!」

それが 結論だった・・・

痛いほど わかるなぁ〜その気持ち。

田舎町で暮らす 女たちを描いた小説です。
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2017年03月09日

ついに。来た?

群ようこさんの本は女性の人生に寄り添っったものが多いのですが 今回は 考えさせられる内容でした。
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ついに、来た?   群ようこ/著 
東京 幻冬舎  2017.2

「覚悟はしていた。つもりだけど。
働いたり、結婚したり、出産したり、離婚したり……、
バタバタと歳を重ねているうちに、
気づいたら、あの問題がやってきた!?
それは、待ったナシの、親たちの「老い」が!?」

「母、出戻る?」
「義父、探す?」
「母、歌う?」
「長兄、威張る?」
「母、危うし?」
「伯母たち、仲良く?」
「母、見える?」
「父、行きつ戻りつ?」
全8編の連作小説。

誰もが避けて通れない「親」たちの老い。
痴呆、介護、デイケアサービス、リハビリなどをユーモアを交えて綴ります。

やはり ついに来た!?
なんでしょうねぇ〜

老いれば 多少記憶があいまいになるし 今までできたことができなくなるし 判断能力も落ちるし・・・
それが 自分では感じられるか 感じられないかも 問題で。。。
若いころと同じように 過信してしまったりすることもあるし 周りも衰えを理解しないこともあるし・・・
はたまた都合の悪いことは覚えていないとか とぼけていたりする人もいるし。

元気で 徘徊というのが一番困り リハビリなどせず 寝たきりにしておいてくださいと頼む人もいるそうな・・・
なかなか 難しい問題です。
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posted by うめのはな at 08:55| Comment(0) | 読書