2021年04月06日

三木城合戦記

発売時は 読もうとは思っていなかったのですが 借りる機会があったので
「もろびとの空   三木城合戦記」 という本を読みました。

タイトル  もろびとの空 
       三木城合戦記
著者       天野純希
出版者東京 集英社   2021.1

「戦国末期、別所長治は信長に叛旗を翻す。織田勢を率いる秀吉の猛攻に耐え、籠城戦が続くなか、飢えに苦しむ領民は、究極の選択へと追い込まれる。
織田勢を率いる秀吉の猛攻と「干殺し」に耐え、暮らしを守ろうと刀を握った人々の、歴史に記されなかった生を描く。」

別所氏の三木城落城譚といえばその凄惨さから、有名な話として伝えられているそうですが 歴史には詳しくないし まして 三木城なんていうのも全く知らなかったです。
名前も知らなかった武将たちですが 「死に損ない」と罵られ、次こそ死のうと、敵軍を斬りつづける武士。貧しくて米十俵のために握った薙刀で、家族を守るため、「女武者組」として戦う覚悟を決める娘たちの姿が描かれていて ひきこまれました。

織田に反旗を翻した古豪・別所家。司令官・秀吉の報復と播州征伐。
三木城当主別所長治の籠城戦
「秀吉が行った兵糧攻めは、三木の干殺し(みきのひごろし、-ほしごろし)と呼ばれる。」

領民のためにと言いながら自らの意地、プライド、私欲に取り憑かれている城主。
「播州武士の矜持、名門別所家の誇り」とは程遠い 自己顕示欲の塊のような吉親。
城主長治を幽閉し 吉親がプライドだけで反旗をひるがえし 籠城という選択をした。
その選択が、自らだけでなく周囲も苦しめる。
こんな愚かな男のために 多くの民百姓や武士が死んでいく。
焼かれる家や田畑。子は拐われ、女は凌辱され、男は斬られ 秀吉の2年もの兵糧攻めにより飢え死にが相次ぎ
最後には飢えて 人肉まで食べなくてはならなくなった。

物語は百姓の娘で米を得られることから女武者団に参加した加代と、女武者団を支える別所家家臣の蔭山伊織の視点で描かれている。
女武者組の指揮を執るのは別所家の妻 波。
最後の交渉は 幼い子らを含め別所一族の死をもって立て籠もった領民、家臣の命が救うこと。
別所一族が女こどもまで自決する場面は 悲しい場面です。

別所一族の死をもって立て籠もった領民、家臣の命が救われ 月日がたち
その後の平穏な 農民の日々に安堵し 緑豊かな土地へと変わっていく姿にはほっとします。
合戦の裏にある ひたむきな生の物語です。

人とは 何なのだろうか・・
生きるとは?

戦国時代 人は戦いのために生きていたのだろうか。
戦がはじまれば歩兵として いやおうなしに かり出され 前線に出て 切られ 射られ 討たれる。
虫けらのように 殺されても 文句はいえない。
それが 役目と割り切っていたのだろうか・・・

太平洋戦争のときも 兵隊さんは同じでしたね。

家族もいれば 親兄弟もいるのは 領主とて同じはずなのに。
短い人生でも 戦いのためならしかたがなかったのだろうか。
戦争は いやですね。

強いものが勝つ。
そうなんでしょうが ひたむきに生きていた人たちの 人生は何だったのでしょうかね。

フィクションといえども 実際にあったという戦いの歴史を読むのは 辛かったです。

現代の為政者も 国のため国民のためといいながら 利権 忖度
自己顕示 私利私欲 プライドのために 取るべき道をあやまってはいませんか?
そう 問いかけたいです。
タグ:読書
posted by うめのはな at 16:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書
この記事へのコメント
悲惨なものですね 籠城戦”というものは
本来はやらない方がいい しかしやむにやまれぬ事情で籠城してしまう
戦国時代の籠城戦と言えば「大坂の陣」「小田原の役」など
その中でも悲惨だったのは「長嶋一向一揆」だったと思っていましたが
検索し調べてみたら「長嶋一向一揆」はベスト2で
それよりも悲惨だったと言える籠城戦ベスト1位は 地獄絵図となった餓え殺し「鳥取城」
ちなみに 干し殺しの「三木城」は4位扱いになっていました
梅の花さん お勧めの「三木城合戦記」は是非読みたいと思っています
 
追:
二か月待ちのじい散歩” 今月やっと借りられて 読みました 面白かったです
梅の花さん は作中に出てくるユニークな建物に興味を覚えたとありますが
僕はその中でも 最終の方に出てきた会津さざえ堂”でしょうか
それよりも小説の中にどっぷりつかり、主人公新平の達観した人生観に感銘します
それにしても 著者:藤野千夜さんなんて僕の読書範疇にはあり得ませんでした
それも 梅の花さん が紹介してくれたおかげだと思います
此処つい最近ここで紹介された「矢野隆」「谷津矢車」そして「門井慶喜」など
一冊読むと その作者を立て続けて読んで行っています
 
これからも 気になる本 面白い本 感銘した本の紹介をお願いします
ちなみに今まで 梅の花さん が紹介した読み物の中で一番印象に残っている本となったのは
 
石田衣良/著
       「不死鳥少年  
              アンディ・タケシの東京大空襲」 です。

Posted by 山歩 at 2021年04月08日 21:25
山歩 さん

餓え殺し「鳥取城」も秀吉&官兵衛ですよね。
やはり2年ほどの籠城。兵糧攻めは悲惨です。
武士のプライドのためいつも領民が苦しみます。

重文 会津さざえ堂 は行ったことがないです。
会津は何度も行ったのに惜しいことをしました。
会津ささえ堂の協力で建設したのが 大正大学「巣鴨さざえ堂」だということですから 観たいです。
見学できるので コロナがなければ行きたかったです。

 「不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲」
これは 本当に涙なくして読めなかったです。私も 心に残る本です。
感銘した本はそうたくさんあるわけではないのですが 印象深い本は 書きとめることにしています。どんな本に出会えるか 楽しみです。
Posted by うめのはな at 2021年04月09日 05:57
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