2020年03月13日

東京、はじまる

今日は 本の話。

タイトル  東京、はじまる  門井慶喜/著  
出版者東京 文藝春秋
出版年2020.2

内容(「BOOK」データベースより)
江戸を壊し“東京”を建てねばこの国はほろびる―留学から帰国した辰野金吾は、瓦屋根がぺたりと広がる町並みを眺め焦燥に駆られる。建物と風景が近代国家を支えると信じた日本人初“建築家”の熱い生涯!


建築家 辰野 金吾さんのお話しでした。

著者の門井慶喜さんは 
「屋根をかける人」アメリカ人建築家、メレル・ヴォーリズ氏の話を書くなど 建築家の話を書いています。
また 『家康、江戸を建てる』の著者でもあります。

江戸を建て 江戸が終わり 近代化の 東京がはじまる という建築の話。
辰野金吾さんは 江戸から東京へ、急速に近代化する街の形を決定づけた建築家です。
鹿鳴館の窓から見た 東京の景色があまりに平坦なのに驚き これからの街づくりに 「江戸」を壊して近代「東京」の街づくりを志します。

師である ジョサイア・コンドルとの対立 ライバルたち そして野心 葛藤。
下級武士であるという劣等感から 勉学に励みます。
イギリスへの留学で諸国と日本の差に焦り帰国後は これからは日本人が設計しなければ 日本の街づくりは進まないと、恩師ジョサイア・コンドルを蹴落としてでも日本人建築家による首都作りを目指した男です。
今日の東京の風景が生まれるに至った「東京のはじまり」の物語でもあります。

コンドルを蹴落として 「日銀」の建築を奪います。日本の銀行は日本人の手で!
上から見ると「円」という建物には 辰野ならではの こだわりがあったようです。
長い年月をかけての 石造りと煉瓦の建物。
地下の金庫室は いざというときは 水没するように設計されているとは 知りませんでした。
戦争中だったため 敵にお金等を奪われないためだとか・・・・。

そして大成功を収め 理想の首都「東京」を作り上げようとします。
次は 鉄道の国有化と 中央駅の建造。
今の 「東京駅」です。
豆腐のようなぐずぐずとした 地盤に松の木の杭をびっしりと打ち込んでからの建築。
長さ330mあまりもある 無駄に長い建物と 当初評判はよくなかったそうです。
しかし 関東大震災でも びくともしなかったことで 再評価され 今では東京のシンボルになっています。

三菱が原と呼ばれた 現在の丸の内の広大な平原にも 赤レンガに白い線の建物が増えていきました。
今日の風景が生まれるに至った「東京のはじまり」の物語です。

辰野金吾と言えば あまりにも有名な人で 全国の数多くの建築物を手掛けてきましたが
彼が 一番やりたかったのは 「国会議事堂」だったそうです。
「国会議事堂」はコンペ方式になったものの スペイン風邪の流行でライバル 妻木の死。そして辰野の死で
設計者があいまいな ままになっています。

本の中に出てきた「スペイン風邪の流行」なのですが
今の新型肺炎と 同じようなのかなぁ・・・と 思ったりもしました。

「流行の経緯としては、第1波は1918年3月にアメリカのデトロイトやサウスカロライナ州付近などで最初の流行があり、アメリカ軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、5〜6月にヨーロッパで流行した。」
とwikiにありますが
本では アメリカから始まった風邪に兵士たちがかかり 船でヨーロッパに進軍する間 船の中で蔓延。
上陸してヨーロッパにあっという間に 広がったと書いてありました。

今の コロナと似ていますね〜
船で蔓延するのは同じでしょう。現在はクルーズ船ですけれどね。

歴史は繰り返すのかな。
でも 乗り越えてきたのだから 今回もきっと 乗り越えられますよね。
あの当時よりは ずっと文明が進んでいるのだからね。

久しぶりに 東京の歴史を感じた本でした。
タグ:読書
posted by うめのはな at 16:11| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書